疾患・特集

この夏は髪もしっかり健康管理!

心身の健康状態を的確に反映する髪。髪の健康管理は心身の健康管理と言っても過言ではない。紫外線によるダメージや、カラーリングの弱点、気になる抜け毛のことも知っておこう。

髪は健康のバロメーター

これから暑い季節が到来するが、あなたの体調管理は万全だろうか。冷房病対策、水分摂り過ぎによる夏バテ対策、お肌のシミ対策……そして、案外忘れがちなのが髪の夏バテ対策である。

実は、体調不良やストレス過多、病気のサインなど、心身の健康状態を的確に反映するのが髪の毛である。髪の健康管理は心身の健康管理といっても過言ではないのだ。ということで、今回は髪の健康について考えてみよう。

オシャレでも紫外線には弱いカラーヘア

夏場だけでなくとも、髪の最も強力な敵は、さんさんと降り注ぐ太陽光の紫外線だ。この紫外線が髪の内部に入るのを防ぐ役割を果たしているのが、メラニンという色素である。髪は、内側から毛髄質、毛皮質、毛表皮(キューティクル)の三層構造で成り立っているが、メラニンは真ん中の層である毛皮質にたくさん含まれている。メラニンが多くなればなるほど髪は黒くなり、少なくなるにつれて褐色、金髪、白髪と色が薄くなる。

カラーリングで本来の髪の色より明るい色に染めていると、紫外線が髪の奥まで入り込み、たんぱく質の分解がすすんでしまったり、溶け出しやすくなってしまう。髪の水分を保つ役割を果たすたんぱく質が失われると、髪がパサついたり、切れやすくなるのである。したがって、カラーリングをしている人は、黒髪の人以上にヘアケアが大切。戸外に出るときはできるだけ日傘や帽子で陽射しを防ごう。また、海やプールの後など、髪を濡れた状態のまま日光にさらすと一層傷みやすくなるので、できるだけ早く乾かすように心がけよう。さらに、体の中からの健康管理=食事対策なども怠りなく。

オシャレでも紫外線には弱いカラーヘア

丈夫な髪を作るには、良質な血液を作ること

丈夫な髪を作るには、紫外線対策のほか、ぬれた髪のまま就寝しない、髪を洗うのは1日1回にとどめるなど、ふだんからのヘアケアに気をつけることが大切だ。そして忘れてはならないのが食生活である。

髪に必要な栄養分は、頭皮の毛細血管を通って血液から供給される。血液は全身に栄養を運ぶはたらきをしているが、髪の毛先まで十分に栄養をいきわたらせるには、バランスの取れた良質な血液でなければならない。つまり、普段の食生活が何よりも大切なのである。

アミノ酸

大豆製品

髪の99%は、約18種類のアミノ酸が結合して作られた「ケラチン」というたんぱく質でできており、そのなかで最も多いのが「シスチン」というアミノ酸である。
これは体内で合成されない必須アミノ酸から作られるため、その必須アミノ酸が多く含まれる食品を摂ろう。
摂りたい食品:豆腐などの大豆製品、玄米、イモ類など

ビタミン類

緑黄色野菜

たんぱく質を髪の栄養源とするには、いったんアミノ酸に分解して合成しなおす必要がある。
その際必要なのがビタミンB群。活性酸素を除去し、老化を防止するのはビタミンE。そのほかビタミンA、C、Dもぜひ摂りたい栄養素だ。
摂りたい食品:緑黄色野菜、卵、果物、玄米、豚肉、レバー、チーズ、豆類など

ミネラル

魚介類

たとえば鉄分は、血液が酸素を運ぶために必要なもの。このようにミネラルも髪の健康を保つうえで欠かせない大切な栄養素である。
摂りたい食品:豆類、プルーン、エビ、海藻、魚介類、根菜類など

さまざまな食品を挙げたが、要はバランスの取れた食生活が一番。バランスのよい食生活は、髪の健康を保つだけでなく生活習慣病予防など、日常の健康管理にもつながるのである。

やっぱり気になる抜け毛・髪の量

髪の健康で、何より気になるのは年々減っていく髪の量という人もいるだろう。年齢とともに髪が薄くなるのは自然の摂理ではあるが、なかには加齢以外の理由で脱毛する場合がある。そんな脱毛症の場合は、自分で対策がとれるものについては、それほど心配のいらないものも結構あるのだ。

脂漏性脱毛症(粃糖性脱毛症)

フケが異常発生して毛穴に詰まるため、炎症を起こして抜け毛を起こしやすくなる。フケがたまらないよう、頻繁に洗髪を行うことが大切。

男性性脱毛症(壮年性脱毛症)

男性の場合、20歳前後から特定の場所が薄くなる。はっきりと解明されていないが、男性ホルモンである「テストステロン」と遺伝が大きく関係しているといわれる。治療には女性ホルモンを含む発毛剤が使われる。

妊娠・出産による脱毛症

女性は、妊娠後期に成長期の毛髪の割合が増えて、出産後休止期に入るため、出産後3ヵ月くらいに抜け毛が多くなり一時的に髪が薄くなるが、やがて元に戻る。

円型脱毛症

年齢性別に関係なく、突然円形または楕円形の脱毛が生じる。半年から1年で自然に治ることが多い。ストレスが原因といわれるが、実際には一種の自己免疫病で、自分のものである髪の根元を傷つけてしまうことが原因であるともいわれている。

また、ダイエットで栄養が不足して脱毛する場合もある。体の健康は髪に直結するということを、くれぐれもお忘れなく。

公開日:2004年7月26日