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桃は女性をきれいにしてくれる

桃は夏が旬。甘くておいしくて、魅力的な果物だ。桃の健康効果に交えて、桃と女性の関係など、桃に関する話をたくさん紹介する。

桃は女性のほめ言葉

桃

桃は女性にとって格別なもの。
欧米では、女性をほめるときに桃が使われる。最近ではあまり使われていないようだが、「She is a peach」といえば、「彼女はとってもすてきな人だ!」という意味で、美しく健康的でセクシーさも備えている女性という最高のほめ言葉だとか。
ほのかにピンクに色づき、甘い果汁と柔らかい果肉を備えた桃。こんなほめ言葉をもらったら、女性もますますきれいになれそう!

女の子のお祭り=「桃の節句」

桃の節句

3月3日のひな祭りは、女の子の成長を祝う、日本の伝統行事。ひな人形を飾り、桃の花や菱餅を供えてお祝いする日だが、今のようなひな祭りをするようになったのは、江戸中期ごろ。町人文化の繁栄とともに一般大衆の間に広がったものだ。
中国では桃の木には体の中の悪いものを取り除く力があるとされており、桃が魔よけの力を持つという考えが日本に伝わって、ひな祭りのときに桃が使われるようになったようだ。
3月の初めは旧暦で言えば花盛り。桃の花の美しさも女の子と結びついたのだろう。

桃の栄養は女性をきれいにしてくれる!

目立った栄養素はあまりないが、女性をきれいにしてくれる要素はたくさんある

桃の効果

桃の実桃の実

ビタミンCには肌をきれいにしたり老化防止のはたらきがある。さらに、桃のジューシーな果肉は不足した体液を補い、皮膚に潤いを与えてくれるので、肌を若返らせることができる。また、カリウムには血圧を下げる作用があり、高血圧の予防、がん予防、さらに便秘の改善などに効果的。便秘といえば、食物繊維のペクチンも多く含まれているため、便秘で困っている方は桃の実を食べるとよい。

桃の葉桃の葉

桃の葉には、タンニンやマグネシウム・カリウムなどが含まれ、薬理作用がある。日本では、古くから「桃湯」が親しまれており、江戸時代から夏の土用には桃湯に入る習慣があったとも言われている。
葉には収れん作用があって、乾燥させたものをお風呂に入れるとあせもや湿疹に効果的。つまり、一年のうちで一番暑い夏の時期にあせもや湿疹に効能のある桃湯に入ることは理にかなったことなのだ。
もし、桃の葉が手に入るなら、生の葉を乾燥させて、お風呂に水から浸すように入れれば、桃湯のできあがり!または、数十枚の葉を煎じてお風呂の湯に入れてもよい。最近ではこの葉の効能が見直され、桃の葉エキスが入った化粧水や入浴剤も売られている。

桃の種(桃仁)桃の種(桃仁)

さらに、普段食べたときに捨てるあの種を割ってみると、中に数個の種が出てくる。これは「桃仁」と呼ばれるもので、脂肪油、アミグダリンなどを含んでおり、婦人病の漢方薬として重要でポピュラーなものだ。血液の循環をよくする作用があり、生理不順や生理痛、更年期障害、便秘、肩こり、頭痛のほか、高血圧や脳梗塞の予防にも効果を発揮する。ただし、効果が強いので、利用するときには漢方の専門家に相談すること。

桃の花桃の花

桃の花は、「白桃花」と呼ばれる生薬で、利尿にはたらく成分が含まれているため、利尿剤や、むくみの解消、下剤として用いられる。
桃仁同様、白桃花も効果が強いので、利用するときには漢方の専門家に相談しよう。

桃にはどんな種類がある?

日本の桃は果肉が白く、水蜜桃と呼ばれる柔らかな果肉とたっぷりとした果汁が特徴。欧米の桃はほとんど黄桃であり、原産国の中国にも日本のような白桃はあまりない。
現在、日本で出回っている白桃系の桃は、「白鳳」と「白桃」がほとんどだ。

日本で出回る主な桃の種類

白鳳 果皮は赤っぽく、果肉は白。果汁がたっぷりで甘さは濃厚。品種は10種類ほどある。主な産地は山梨、福島。
白桃 果皮も果肉も白っぽく、上品な甘さがある。やはり品種は10種類ほどあるが、産地によって違う品種を作っている。有名なのは、浅間(山梨)や清水(和歌山)など。また、川中島(長野)もおいしいと注目されている。生産量は少ないが、岡山も白桃の産地として有名。
ネクタリン 桃よりひとまわり小さく、果皮はつるつるとしている、毛のないもの。果肉はち密でオレンジ色をしており、桃とあんずを合わせたような味わい。出回っているものは、ほとんどが「秀峰」という品種。
黄桃 果肉は黄色で硬く、酸味が強いもの。主に缶詰に用いられている。
蟠桃(はんとう) 別名「座禅桃」という。おまんじゅうを押しつぶしたようなぺちゃんこの形をしている。形に似合わず品質は良好で、果汁が多く味もいい。しかし、栽培が難しいため、現在では一般にはほとんど出回らない。
公開日:2003年6月23日