O脚や膝のゆがみは、悪化する前に整形外科を受診して治療することが大切。整形外科での治療法のほか、筋力トレーニング、歩き方、靴の選び方、生活習慣や食生活など、自分でできる予防・克服法についてくわしく解説する。
O脚や膝のゆがみは、悪化する前に整形外科を受診して治療することが大切。整形外科では主に次のような治療が行われる。また重度のO脚には、脛骨を削って湾曲を治す手術が必要になることもある。
変形膝関節症に進行してしまった場合、痛みを除去し、炎症を抑える薬物療法、血行をよくして痛みを緩和する温熱療法、筋力を強くして膝への負担を軽減する運動療法などがあわせて行われる。
膝の揺れを防ぐバーがついたサポーターを当てることで、膝のゆがみを矯正し、安定させる。曲げ伸ばしは自由にでき、保温効果も高い。痛みが軽くなるために歩きやすくなる。
O脚補正用の足底板は、外側が7~12ミリほど高くなっているため、靴の中に入れて利用することで重心が外側に移動せず、脚がまっすぐになる。利用する足底板の高さは症状により異なり、また治療の段階で変わるため、医師に相談して自分にあったものを処方してもらうようにしよう。
整形外科の治療だけでは、完全に治すことは不可能。日常生活でも、ゆがみを治す運動を積極的に行い、食事内容や歩き方の習慣などを見直すことで進行を食い止めることが可能になる。ただし、自分だけで治療を行うことは不可能なので、整形外科医と相談しながら行うようにしよう。
O脚や膝のゆがみは、筋力不足も大きな要因。毎日筋力トレーニングを行うことで次第に筋力がアップし、膝への負担も少なくなる。ポイントは、お風呂に入って体が温まったあとに行うこと。新陳代謝が促進されるために痛みを感じにくくなり、関節がやわらかくなっているために膝も曲げやすくなる。最初は回数にこだわらず、できる範囲で無理せずに行うこと。整形外科を受診しているときは、もちろん主治医に相談してから行うことが大切だ。
歩き方もO脚や膝のゆがみに影響する。膝やかかとに負担のかからない歩き方のポイントを紹介するので意識してみて。
例えばハイヒールを履いていると、重心が前に移動し、つま先に重力がかかり過ぎてしまう。その結果、つま先立ちをしているような不安定な状態になり、体を安定させようと膝に負担がかかってしまう。また、アキレス腱が縮みきってしまい、靴を脱いだあとでもアキレス腱が縮み気味の状態になる。こうなると膝がよく伸びず、まっすぐ立つことができないなど膝をゆがめる原因に。オシャレをしたい気持ちもやまやまだが、O脚を防ぐためには履き心地を重視したい。
膝や脚の血液の循環をよくして新陳代謝を高めると、膝の痛みが和らぎ、筋肉も柔軟になる。医師から止められていない限り、毎日40度前後のぬるめのお風呂に20分以上つかって、膝と脚をゆっくりと温めるとよい。また、膝が痛んだ場合は、ホットタオルや使い捨てカイロを膝に当て短時間温めよう。雨の日や冷え込んだ日には、サポーターをつけて外出し、家では膝かけを利用して寒さから守ることも大切だ。
骨がもろくなると、体を支える膝や脚にも影響する。特に閉経後は、女性ホルモンの分泌が減ることで骨粗しょう症を引き起こしやすくなる。また、体重が重くなると膝への負担が増す。食生活を見直し、栄養をしっかり補給しよう。