アニマルセラピーは科学的な立証が難しいものの、血圧の安定などいくつかの効果がデータとして紹介されている。またペットと暮らす上での注意点としてペットロス、感染症についてもまとめた。
動物の存在が人間の心身の健康によい影響を与えるらしいということは、多くの人が経験を通してなんとなく知っていることではないだろうか。だが、精神状態の尺度を設けることが難しいなど、アニマルセラピーについて医学的・科学的に実証していくのは困難だ。それでもいくつかデータとして発表された報告もある。
アニマルセラピーは、人と動物がただ触れ合えばいいというものではない。当然ながらアニマルセラピーが適応しないケースもある。
毎日の生活に活気を与えてくれたり、安らぎを与えてくれるペット。家族の一員としても大切な存在だ。人間と動物が共に健康的に暮らすために、いくつか気をつけておきたいことがある。
ペットが死んだ後の飼い主の悲しみを「ペットロス」と呼ぶ。食欲がなくなったり、意欲がわかなくなって仕事などにも支障をきたすようになり、ひどくなると抑うつ的になってしまうケースもある。
ペットの死の悲しみについて、なかなか人に話しにくい、理解されにくいということから重いペットロスに陥ってしまうこともあるようだ。
では、どうしたらペットの死ときちんと向き合えるのだろうか。
例えば犬の寿命は15~20年と言われている。ほとんどの場合は確実に犬の方が先に死んでしまい、自分がその最期を看取らなくてはいけない。当たり前のことだが、このことを飼い始める際によく理解しておくこと。また、ペットとの距離感も大切。例えば動物園の飼育係は愛情を抱きながらも一定の距離をおいて動物と付き合っているため、死別を経験してもペットロスにはならないという。くれぐれも過剰にペットにのめり込むことのないよう注意したい。
ヒトから他の動物に、あるいはヒト以外の動物からヒトに感染しうる疾患のことを「人畜共通感染症」と言い、日本の場合ペットに関する人畜共通感染症はおよそ30種類もあると言われている。なかには重い症状につながりかねないものもあるので、あなたとペットの健康を守るために以下のことに気をつけて欲しい。
犬 | 犬回虫症、犬糸状虫症、皮膚糸状虫症、白癬菌感染症、サルモネラ腸炎、狂犬病、パスツレラ症など |
---|---|
猫 | 猫ノミ刺症、ダニ皮膚炎、猫回虫症、トキソプラズマ症、Q熱、皮膚糸状虫症、白癬菌感染症、サルモネラ腸炎、狂犬病、パスツレラ症など |
げっ歯類※ | 白癬菌感染症、リンパ球性脈絡髄膜炎、ダニ皮膚炎、サルモネラ腸炎など ※ウサギ、モルモット、ハムスター、マウスなど |
小鳥 | トリサシダニ刺症、鞭虫症、サルモネラ腸炎、オウム病、クリプトコッカス症、結核など |