疾患・特集

あの食材の健康パワーとは?ハーブ・ワイン・カフェイン編

ハーブって本当に体に効くの?ワインの健康効果って?カフェインは体にいいの?悪いの?気になる食材の健康パワーについてご紹介します。

ハーブって本当に体に効くの?

ハーブ

ハーブは広辞苑では「薬草・香味料とする草の総称」と定義されており、一般的には薬効のある植物のことを指します。ハーブと人類の関わりは古く、たくさんの神話や伝説に出てくるさまざまな薬草や、聖書の創世記にある青草もハーブと考えられています。古代エジプト王朝のミイラにも防腐剤としてハーブが使用されていたようです。また、ハーブの種類は数千とも言われます。もちろん、日本にも、日本独特のハーブが昔から存在しています。さんしょう、しそ、ねぎ、みょうが、わさびなどがそうです。
欧米ではハーブは医薬品や栄養補助食品として分類され、効能の強さ(大きさ)のレベル表示などがされていますが、日本の場合、ハーブサプリメントは「食品」として分類されています。正しい知識を持って使いたいものです。

ハーブの健康パワー

リラックス効果、抗酸化作用、免疫力向上など

ハーブにはたくさんの種類がありますが、ここではメディカルハーブとして特に有名なものだけを紹介しましょう。
さまざまな健康パワーをもつハーブですが、使用に当たっては注意も必要です。まず、過剰な摂取はやめること。なかには薬剤と併用すると、薬の作用を弱めてしまうものもあります。病気などで薬を服用中の人は、医師に相談することをおすすめします(購入の際には成分や注意表示があるかどうかチェックしましょう)。

ハーブの種類と効能

イチョウ葉 イチョウ科 抗酸化作用、血流改善、精神安定などの作用があります
エキナセアキク科風邪やインフルエンザなどに対して免疫力向上や免疫機能を活発化させるはたらきがあります
ノコギリヤシヤシ科前立腺の不調を緩和、抗炎症、利尿作用など
ローズヒップバラ科ビタミンCを多く含み、肌を若々しく保ちます。ストレスを感じるときにも
セントジョンズウォートオトギリソウ科ストレスを和らげ、気持ちをリラックスさせます
リコリスマメ科咳やのどの痛みを和らげます
キャッツクローアカネ科リウマチ改善、抗アレルギー、抗炎症、免疫力向上などの作用があります

ワインの健康効果について教えて

ワイン

ワインとは、よく熟したぶどうから果汁を絞って発酵させたお酒のこと。そのほかの原料はもとより、水すら必要としません。赤、白、ロゼがあり、赤は酸味や渋味が強く、白やロゼは適度な酸味や甘味があります。

ワインの作り方

赤はぶどうの果皮が黒・赤色のぶどうを果汁、果皮、種子を使って発酵させたものです。白は果皮が白(緑)色のぶどうの果汁だけを使って発酵させたものです。ロゼは赤ワインを作る途中で果皮と種子を取り除いたものです。

ワインの健康パワー

抗酸化力、抗菌力

ワインの健康パワーのカギは何と言っても「ポリフェノール」です。ポリフェノールとは植物が作る天然物質で、全部で10種類以上もあります。ワインの原料・ぶどうの場合、その皮に赤い色素のアントシアニン類、リスベラトロール、種子にカテキン類やタンニンなどが含まれています。赤ワインはぶどうの皮や種子も一緒に醸造するため、大量のポリフェノールを含んでいるのです。
ポリフェノールは抗酸化力が強く、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を抑え、心臓病を防ぐと言われています。
ポリフェノール効果で赤ワインばかりがクローズアップされていますが、白ワインには健康パワーは期待できないのでしょうか?確かに白ワインは赤ワインに比べてポリフェノール類は少ないのですが、実は大腸菌やサルモネラ菌に対する抗菌力が強く、殺菌効果という赤ワインにはない健康パワーを持っています。また有機酸の含有量も赤ワインより多く、大腸の腸内細菌のバランスを整えるのに役立っているのでし。赤でも白でも!お好きな方を、「ほどほどに」お召し上がりください。

カフェインは体にいいの?悪いの?

紅茶

カフェインとは、植物の葉、幹、種などに含まれる成分のこと。無色の針状結晶で熱湯に溶けやすく、苦味があります。私たちの身近な飲み物では、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、栄養ドリンクなどに含まれていますが、実は風邪薬をはじめいろいろな薬にも配合されているれっきとした医薬品でもあります。

カフェインの健康パワー

脳への覚醒作用、利尿作用

カフェインは大脳皮質を刺激して感覚や思考を高め、眠気を覚ます効果があることが知られています。また、摂取後数時間は、腎臓を刺激し尿の排泄を促す作用も。よく「食後の1杯」としてコーヒーが出されるのは、コーヒーに含まれるカフェインが胃酸の分泌を促し、胃内での食物の消化を助けるためです。
ただしカフェインを過剰に摂ると健康に害を及ぼしかねず、急性中毒症(神経過敏、興奮、睡眠障害、顔面紅潮、嘔吐などの胃腸症状など)を指摘する声もあります。また、カフェインによる胃酸の分泌促進作用のため、胃酸過多の人が空腹時に摂取すると胃を荒らすこともあります。 とはいえ、1日数杯程度ならもちろん大丈夫です。上手に摂ってリフレッシュに役立てましょう。

身近な飲み物のカフェイン含有量(可食部100g当たり)

玉露(抽出液) 0.16g
煎茶(抽出液)0.02g
番茶(抽出液)0.01g
ウーロン茶(抽出液)0.02g
紅茶(抽出液)0.03g
コーヒー(抽出液)0.06g

出典:「2002新食品成分表FOODS」一橋出版

公開日:2002年12月2日