きのこの季節。低カロリーでミネラル豊富なきのこですが、私たちがふだん良く口にするきのこには、どんな効能があるのでしょうか。きのこに含まれる成分を紹介します。
きのこを植物のひとつと考えてはいないだろうか。事実、最近までは植物のひとつとして分類されることが多かったが、近年では、きのこは“第三の生物”として植物とは別に扱われる傾向にある。
その理由は、きのこは菌類の一種で葉緑素を持たないため。また、ふだん口にしているきのこの部分は「子実体」と呼ばれ、植物にすれば「花」にあたる部位なのだ。
しかも、その種類はまだまだ調査されきれておらず、現在、日本だけでも2,000種とも3,000種あるともいわれ、今だに名前もわかっていないきのこ類が、その倍近く存在するといわれている。
こうしたきのこ事情はお国が違っても同様らしく、世界的にもきのこの種類や性質は研究の途中にある。数年に一度くらいの割合で食品売場に登場する新しい姿カタチのきのこ、最近でいえば、ヨーロッパなどが主産地であるエリンギなども、こうした事情の反映といえるかもしれない。
つまり、まだまだ、きのこは新しい味覚の楽しみを私たちに提供してくれそうな食物であるということ。では、そんなきのことは、一体、どんな食品なのだろうか。
きのこといえば低カロリーでビタミンやミネラルが豊富。ダイエット的にも注目したい食品だ。特に女性にうれしいのは、食物繊維が多く、便秘の解消にも効果的なこと。さらに、種類によって、下の表のような作用もある。上手に食べ分けていくのもオススメだ。
シイタケ |
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マイタケ |
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えのき茸 |
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きくらげ |
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マッシュルーム |
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ほとんどのきのこに含まれるのが、βグルカンと呼ばれる成分。これは不溶性食物繊維のひとつで、たんぱく質と結びつくことによって、体の免疫力を高めるはたらきがあるのだ。こうしたはたらきは、細菌やウィルスへの抵抗力を強くするためアレルギー疾患に良いとされるほか、がん予防にも効果があるとされ、現在、抗がん剤の材料にも使われている成分だ。
また、きのこ類で忘れてならないのが、ビタミンD。それだけでは吸収されにくいカルシウムをしっかり体内に取り込み、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防する。
なかなかに優秀なきのこ。ただひとつの難点といえば、人によって食べ過ぎると下痢になりやすいこと。一度に食べる量は抑えながらも、たくさん食べたい食品の代表選手のひとつといえそうだ。