疾患・特集

男の肌は結構デリケート

一見丈夫そうな男性の肌、実は脂っぽいくせに乾きやすいという性質があり、きちんとしたお手入れが必要です。男性のスキンケアについてご紹介します。

「オヤジは脂っぽい」はホント?

「スキンケアなんて男がするもんじゃない」。こんな風に考えている男性が圧倒的に多いのではないだろうか?でも「オヤジは脂っぽい!」などと言われると密かに傷ついたりして…。男性の心同様、実はお肌も案外デリケートなもの。

グラフ:皮脂量の男女グラフ

男性の肌の最大の特徴は「皮脂」。皮脂を分泌している皮脂腺は、毛穴のない手のひらと足の裏を除いて体全体に分布している。顔と頭に特に多く、1cm2当たり平均800個前後。それに対して体の方は平均50個くらいだ。実はこの皮脂腺の密度には男女差はあまりないと言われている。
しかし、「オヤジは脂っぽい!」というのは濡れ衣かというとそうでもない。皮脂腺の活動は男性ホルモンによって促進され、女性ホルモンによって抑制されるという性質を持つ。男性の場合、思春期から60歳くらいまで男性ホルモンの分泌量に大きな変化はなく、生涯通じて女性より多く分泌される。よって、男性が脂っぽいのはほとんど宿命ともいえる。
ただし、女性も安心してはいられない。女性ホルモンと男性ホルモンの分泌のバランスが崩れてしまえば、あっという間に脂っぽい肌に傾いてしまうのだ。ご用心!

それでいて乾いている男の肌

さて、肌の質を決めるもうひとつの重要な要素、「水分」についてはどうだろう?肌の水分を保っているのは角質層と言われる部分。残念ながら男性でも、加齢とともに角質層の水分量が徐々に低下していくことがわかっている。

ところでこの肌の水分の蒸発を守っているのが皮脂。皮脂は肌の角質を覆い、水分蒸発を防ぐ機能がある。健康な角質は20%前後の水分を含んでいるが、これよりも少なくなると肌の弾力が失われてしまう。さらに角質から水分が逃げると体を外の環境変化から守っているバリア機能も落ちてしまうのだ。また、皮脂に含まれる脂肪酸で角質のphを弱酸性に保ち、悪い細菌が増殖しにくくなっている。出過ぎてもべたつくし、なくても困る皮脂。水分量とのバランスが肝心なのだ。

脂っぽいのに、乾く…、これが多くの男性の肌のタイプ。一見丈夫そうに見えても決してトラブル知らずの肌というわけではないのだ。健康な肌を維持するためにはやっぱりスキンケアは欠かせない。

まだあるぞ!男の肌の敵

過剰な皮脂の分泌と失われがちな水分量のほかに、こんなことも男性の肌のトラブルを招く要因になっている。

生活習慣によるダメージ

ストレス 精神的なストレスでホルモンのバランスが崩れ、皮脂の分泌が増えてしまうことでにきびや吹き出物ができやすくなってしまう。
睡眠不足 皮膚や髪、爪などの細胞を再生・修復させる成長ホルモンが多く分泌されるのは睡眠中といわれている。睡眠不足が続けば当然肌にダメージを及ぼしてしまう。
飲酒 肝臓の解毒作用にはアルコール脱水素酵素が使われており、それをシステインというアミノ酸が活性化している。このアミノ酸は肝臓に次いで皮膚に多く含まれ、肌を健康な状態に保っている。
喫煙 たばこに含まれるタール成分には血管収縮作用がある。喫煙による血行不良状態が続くと肌荒れやしわの原因に。

肌が直接受けるダメージ

毎日のヒゲ剃り かみそりの刃がヒゲと一緒に皮膚の表面を削り取ってしまうので、ひりついたりかさついたりしてしまう。
紫外線 紫外線は肌のメラノサイトを刺激し、シミやソバカスの原因となる。さらに真皮にもダメージを与えるのでしわの原因にもなっているのだ。
公開日:2002年9月9日