「1日24時間あっても足りない!」という人は、できることなら寝ないで、あるいは寝だめができれば!と思ったことがあるのではないでしょうか。でも残念ながら、寝だめをすることはできないようです。そこでおすすめなのが、昼寝です。
仕事や趣味に忙しく、「1日24時間あっても足りない!」という人は、できることなら寝ないで、あるいは寝だめができればどんなにいいだろう!と一度は思ったことはないだろうか。でも、実際には3日間も徹夜すれば、その後はイヤでも熟睡してしまうもの。人は眠らないではいられない生き物なのである。
人の体で睡眠不足に弱いのは、大脳。少しくらい睡眠不足になっても、筋肉が衰えることはないが、大脳は細胞の一部が壊れたり適正な司令が出せなくなるなどの影響がすぐ出始める。すると、脳は自ら復活しようと作動する。それが「睡眠」なのである。
もし睡眠を取らなければ、大脳の細胞破壊はどんどん進み、脳が死んでいくということは、すなわち生命が尽きるということなのだ。人は生きるために「眠る」のである。
昼食を摂った午後のひとときは、必ず眠たくなる。特別睡眠不足なわけではないのに、午後の会議ではつい居眠りしてしまうことも。これは、誰にでも起こることで、午後眠くなるという体内リズムを持っているからなのだ。
居眠り事故の発生時刻
出典:「眠りたいけど眠れない」堀忠雄編 昭和堂
ちなみに、居眠り事故の発生時刻を調べてみると、深夜から早朝にかけての眠気が襲ってくる時間帯に集中しているが、よく見ると午後2~4時ごろにも発生していることが分かる。
そこで、おすすめするのが午後の昼寝。といっても、1時間、2時間と寝てしまうと夜眠れなくなる。
昼寝に適しているのは、15分から20分程度。なぜなら、眠り始めてから20分以上経つと眠りが深くなり、さらに30分以上経つといちばん深い眠りにまで入ってしまうからである。深い眠りに入ってしまってから起きると目覚めが悪く、ボーっとしてしまい、かえって昼寝をしないほうがよかった、なんてことにもなりかねない。
昼休みに15分ほど寝る、または午後外出するとき移動中の電車で寝る。このくらいの昼寝が午後の仕事の効率もアップさせ、夜の睡眠にもひびかない、最適なものだといえよう。
突然だが、動物はどのくらい眠るのだろうか。動物には夜行性も昼行性もいる。視覚に頼って暮らしてきた生き物は、昼間に活動し、暗い時間を休息にあてるそう。かといって、人間のようにまとめて7~8時間寝ているかといえば、そればかりでもない。
ネズミやイヌのように嗅覚に頼って生きている動物は、夜に活動し昼間に寝ることが多い。また、草原で生きるキリンやライオンなどは、全体の睡眠時間も少なく、危険があればすぐに察知して起きることもある。
睡眠は、生きる場所や時間帯によってその生物に合わせた変化をし、しかもそれに合うよう体の機能も進化してきているのである。
20時間 | オオナマケモノ |
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18時間 | オオアルマジロ |
14時間 | ネコ、ゴールデンハムスター |
13時間 | ハツカネズミ、ネズミ、ハイイロオオカミ |
12時間 | ホッキョクギツネ、チンチラ、ゴリラ、アライグマ |
10時間 | ジャガー、ベルベットモンキー |
9時間 | チンパンジー、ヒヒ、アカギツネ |
8時間 | ヒト、ウサギ、ブタ、ハリモグラ |
6時間 | ハイイロアザラシ、ハイイロワダヌキ |
3時間 | ウシ、ヤギ、アジアゾウ、ロバ、ヒツジ |
2時間 | ウマ、ノロジカ |
「レイ・メディス『睡眠革命』どうぶつ社」より
出典:「上手な快眠術」井上昌次郎著 実業之日本社