爪は指先を保護しており、小さいけれど大切な存在です。爪の役割や構造は、どのようになっているのでしょうか。また、爪にもトラブルは起こります。あなたの爪、こんな症状は起きていませんか?
爪とは、いったい何だろうか?
ライオンには獲物を捕らえるためにするどい爪がある。馬には速く走るために硬い爪がついている。
人についているのは、板状の平爪。その形にも存在にも意味があるのだ。
指先を保護する | 指先で物をつかむ時、指先に力を入れるが、爪が支えとなるために物がうまくつかめる。もし、足指に爪がなかったら、歩く時にもつま先に力が入らず、うまく歩けないことになる。爪は指先を保護しているのである。 |
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細かい作業が可能 | 爪があるおかげで物がつかめるため、細かな作業が可能。小さなものでも爪のおかげで力の入れ加減を調節することができるのだ。とくに、人の爪は扁平な板状で、このようないわゆる平爪は、高等霊長類以上に見られる特徴である。 |
爪は髪の毛と同様に、普段あまり注目したことがないかもしれないので、ここで爪の構造を見てみよう。
爪甲 | 一般的に「爪」と呼んでいる、板状の硬い部分 |
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爪廓、後爪廓 | 爪甲の周りを囲んでいる皮膚。後甲廓は、根元の部分の上を覆っている皮膚 |
爪母 | 爪甲をつくっているところ |
爪半月 | 付け根のほうにある乳白色の三日月の部分 |
爪上皮 | 甘皮のこと。爪甲の上に伸びている半透明の角質 |
爪下皮 | 爪が伸びてくると指より先に不透明な部分があり、その裏側の角質で覆われている部分 |
爪甲は爪の根元、爪母という部分で作られるが、できたてのほやほやはまだ柔らかい。そのため、爪甲を爪上皮という皮膚で覆っている。
ちなみに、爪は硬いけれども骨や軟骨とは関係ない。骨はカルシウムからできているのに対し、爪は「ケラチン」というたんぱく質からできている。
爪にもトラブルは起こる。あなたの爪にはこんな症状は起きていないだろうか。
爪の先端のはしっこが周囲にある皮膚を傷つける病気。食い込んだ部分の皮膚は赤く腫れて痛む。
陥入爪は足の親指に起きやすく、その原因はハイヒールを履くなど靴にあると思われているが、必ずしもそうではない。いちばんの原因は、爪の切り過ぎ(深爪)にある。
爪を切る時には、指先よりも1mmくらい長くしておけば陥入爪にはならない。
爪甲が分厚く硬くなって、褐色を帯びてキタナイ色になった爪。爪がだんだん硬くなるため、普通の爪切りでは切れず、そのまま伸びた状態にしていると、ますます傷みが増す。
原因は、爪が真菌症になると鉤わん爪になることがある。また、陥入爪と同様に、深爪も原因。深爪になると先端部分が下から受ける圧力に耐え切れず、上に押し上げられてしまう。
先が細い靴を履きつづけると外反母趾になるが、それと同時に爪の形も変わってしまう。陥入爪のように深爪の場合には、足の爪が邪魔をして一定以上は爪が曲がらないが、深爪でないと爪の側縁が足の指に食い込んでいないため、横からの圧力で爪が彎曲してしまう状態。
指先をドアではさんだり、足先に重たいものを落としたり踏まれたりすると、爪甲の下に出血することがある。出血が多すぎると、爪がはがれることもある。しかし、骨折がなく、爪がはがれたのでなければ、そのままにしておいて観察するのがいい。