疾患・特集

笑いの威力はすばらしい!笑いは人を健康にする

最近、笑っていますか?「笑う」ことには、さまざまな健康効果があります。誰にでもできる、手軽で簡単な健康法を試してみましょう!

「笑うこと」でがんが防げる!?

笑う門には福来る

「笑う門には福来る」と言われるように、怒っているより笑っているほうがいいことがありそうだ、というのはわかる気がする。
実際、心や体になにか問題を抱えているときには、なかなか心の底から笑えないことが多い。
「笑う」という行為にはどんな効果があるのだろうか。

健康な人でも毎日体内でがん細胞が発生している。「じゃあ、いつか、がんになるの!?」と驚くことなかれ!このがん細胞をやっつけるNK(ナチュラルキラー)細胞というすごい細胞があるのだ。しかも最近の研究によると、このNK細胞は「笑う」ことによって増えるという。

NK細胞とは…

白血球の一種。それまでの免疫的な記憶がなくてもある種の腫瘍細胞(がん細胞など)を破壊することができ、腫瘍が発生するのを防御するはたらきがあるといわれている。

大阪の吉本興業の「グランド花月」で、笑いと健康について行われた実験によると、漫才、落語、新喜劇を見た直後、血液検査を行った結果、18人中14人が、NK細胞の活性値が上昇したそうだ。つまり、よく笑う人ほどNK細胞が増えて健康になるということなのだ。

ちなみに、笑い方って関係する?

「笑い」といっても、クスクス笑いからガハハハと大笑いまで、その種類はさまざま。笑い方も健康に左右するのだろうか。
意外なことに、「笑う」とNK細胞が増えるという実験では、作り笑いでもOKだそう。
つまり、心からの笑いでなくても、「笑う」という行為には、健康効果があるということだ。
「面白いことがないから笑えない」なんて言わないで、まずは笑顔をつくる練習をしてみよう。

「笑う」と自律神経が変化する

では、「笑う」と体の中ではどんな変化が起きているのだろうか。
人の体には交感神経、副交感神経からなる自律神経がある。これは、筋肉を動かす運動神経や物を識別する知覚神経ではなく、内臓の運動や分泌、知覚などを司る神経のことだ。

交感神経と副交感神経には相反する性質がある。

  • ●交感神経
    エネルギーを発散するようにはたらく。血圧が上がる、瞳孔が広がる、鼓動・呼吸が速くなる、胃腸のはたらきが弱まる、などは交感神経のはたらきによる
  • ●副交感神経
    副交感神経は体にエネルギーを蓄えるようにはたらく。血圧が下がる、瞳孔が収縮する、鼓動・呼吸が遅くなる、胃腸のはたらきが活発になる、などは副交感神経のはたらきによる

交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうと、自律神経失調症などの不安定な状態になってしまうのだが、笑っているときには、これらの神経がバランスよくはたらいているという。
つまり、バランスよくはたらいている=健康的である、ということなのだ。

まだある!「笑い」による効果

自律神経がバランスよくはたらく以外にも「笑い」による健康効果はある。
どんなことがあるのか、ちょっと挙げてみた。

  • ●大笑いすれば腹筋や横隔膜が鍛えられる。すると、排便が楽になる
  • ●楽しいことがあって笑えばストレス解消になり、その結果、便秘や胃腸の痛みなどが改善される
  • ●ストレスが解消されると、血圧も低下し、結果的に心臓病のリスクを軽減することにつながる
  • ●仕事がはかどる。笑いは人間関係を潤滑にし、イライラしているときよりも仕事の能率をアップさせる
  • ●よく笑うことで体の筋肉を使い、心地よい疲れによってよく眠れるようになる
  • ●「笑い」がリウマチなどの病気の回復にも貢献しているよう

これら以外にも「笑い」による健康効果は、数多く報告されている。科学的な証明はこれから、というものも多いが、少なくとも「笑い」が健康をもたらすということは、間違いがないようだ。

公開日:2001年11月12日