通勤の途中で急にお腹が痛くなって、途中下車してトイレにかけ込んだり、下痢や便秘を繰り返したり…。「過敏性腸症候群」とは、主にストレスが原因となって起こる、腸が正常に機能しない疾患です。若い世代にも増えてきています。
通勤の途中で急にお腹が痛くなって、途中下車してトイレにかけ込んだ経験はないだろうか。
かといって血便が出るわけではなく、下痢や便秘を繰り返したり、またはどちらかが頻繁に起こる、という経験はないだろうか。
これは、「過敏性腸症候群」と言われる病気で、若い世代にも増えてきている症状だ。レントゲンや内視鏡などの検査で見つかる器質的疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)とは違い、主にストレスが原因となって起こる、腸が正常に機能しない疾患なのだ。
ストレスはかなりの曲者である。まったく必要ないものか、というとそういうわけではないが、必要以上のストレスは、体に悪影響を与えているのだ。 胃腸と脳は自律神経でつながっており、脳が不安や精神的圧力などのストレスを受けると、自律神経を通してストレスが胃や腸に伝達され、胃腸の機能異常を引き起こしていると考えられている。
ストレスによって一度腹痛を起こして下痢をすると、その次から「ストレスがあったらお腹が痛くなるんじゃないか」と不安になる。気にすればするほどさらにストレスとなり、下痢や便秘を悪化させる、という悪循環に陥ってしまうのだ!
この病気に必要なのは、ストレスの悪循環を断ち切ること。
確かに、この病気に悩まされている人にとっては簡単にストレスを解消できるとは限らない。
この病気を患っていると、電車などに乗ることや外で食事をすることが苦痛になるかもしれないが、手術が必要、という病気ではないし、大腸がんに発展するわけでもない。
だから、まず電車に乗るなどの社会生活を自信を持って送ろう。
それでも、「出先でお腹が痛くなったら、どうしよう?」と不安に思うのなら、薬による治療もある。
症状が軽い場合には、下痢止めや便秘解消の薬など、腸のはたらきを整えるものが主になる。頻繁に下痢や便秘が起こり、外出するのがおっくうになっているのなら、一度専門医に相談してみよう。
薬を持っている、という安心感だけでも、ストレス解消になるかも!?