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頭が痛い!頭痛の種類はこんなにたくさん

「頭痛」とは頭が痛いこと。日本人の約1割がその頭痛に悩まされていると言われています。その頭痛を起こり方などで分類すると、種類は170種類以上あるようです。

頭痛は病名?

頭痛

「頭痛」とは頭が痛いこと。なにかの原因によって頭痛が起こるときには、頭痛は症状名として使われる。でも、特になにかの原因がなくても頭が痛いことがあるが、この場合は頭痛は症状であるのと同時に、立派な病名でもある

頭痛で悩んでいる人は日本人の約1割もいると言われているが、実際「頭が痛い」と感じても、市販薬を飲んでぐっとガマンしてしまう人が多いのではないだろうか。
確かに、頭痛の多くは命に危険のないものであるが、なかには重要な病気が潜んでいる場合があるので、甘くみることは禁物だ。

頭痛にはどんな種類がある?

頭痛は、大きく分けると「一次性頭痛」「二次性頭痛」の2つに大別することができる。

  • ●一次性頭痛:頭痛が起こる原因がはっきりせず、ときどき痛くなるもの
  • ●二次性頭痛:なにか明らかな病気が原因となって頭痛が起こるもの

これを、その起こり方などで分類すると、国際分類では170種類以上もあると言われている(国際分類とは、1988年にオールセン博士らによってまとめられた分類の仕方)。
そこまで細かい分類は、ちょっと難しすぎるので、もう少し大まかな分類をしてみよう。

知っていますか?頭痛の種類はこんなにたくさん

  • 1 片頭痛
    最も代表的な頭痛。ズキンズキンと脈を打つような痛みが特徴的。めまいや嘔吐を伴うこともある。前側頭部の片側に痛みがあることが多い。女性によくみられる。
  • 2 緊張型頭痛
    頭部を圧迫されるような、重く感じる痛みがある。わりとだらだらと続くことがある。肩こりを伴うことが多い。
  • 3 群発頭痛
    中年男性に多く見られ、片目のあたりがえぐられるような激痛がある。頭痛の持続時間は30~60分と短く、一度発症すると1~2ヵ月ほどの間、頻発する。
  • 4 病気を伴わない、寒冷、運動などに伴う頭痛
    冷たいものを食べた時やメガネなどで頭を圧迫したときに起こるような頭痛。激しい運動に伴う頭痛なども含まれる。
  • 5 頭部外傷に伴う頭痛
    頭を強く打ったり、むちうち症のあとに起こる頭痛。頭部打撲の場合は、最初は正常でも時間がたつにつれて頭痛や嘔吐が起こることがあり、頭の中で出血している可能性がある。
  • 6 脳血管障害に伴う頭痛
    くも膜下出血などによる頭痛。くも膜とは、脳を包んでいる薄い膜のこと。脳の表面への出血だと考えるといい。突然「バットで殴られたような」激痛で始まることが多い。ただし、出血が少ないと軽く済んでしまうが、再破裂すると致命的なので突然の頭痛には要注意。
  • 7 脳血管障害以外の頭蓋内疾患による頭痛
    脳腫瘍や髄膜炎などに伴う頭痛。脳腫瘍の特徴は、頭痛・嘔吐・うっ血乳頭(眼の底のむくみ)。髄膜炎は風邪から引き起こりやすく、発熱を伴う。
  • 8 原因物質あるいはその離脱に伴う頭痛
    頭痛を起こす原因物質には、アルコール、亜硝酸塩、グルタミン酸、一酸化炭素、カフェインなどがある。これらの物質を摂取したり、離脱するとき(二日酔いなど)に頭痛が起こる。
  • 9 頭部以外の感染症に伴う頭痛
    かぜや細菌感染症に伴う頭痛。外敵から身を守るための信号として、発熱や頭痛が起こるものなので、「体を休める」メッセージとしてとらえよう。
  • 10 代謝障害に伴う頭痛
    人ごみや高山などで酸素が不足したときなどに起こる頭痛。酸素を確保しようとして、血管が拡張するため、頭痛が起こる。睡眠時無呼吸症候群(寝ているときに息が止まる病気)でも、頭痛が起こることがある。
  • 11 眼・耳・鼻・口腔疾患による頭痛
    眼精疲労、遠視、乱視、副鼻腔疾患、顎関節症などに伴って顔面や頭に痛みが発症する。
  • 12 頭部の神経痛
    頭にある神経の痛みに伴う頭痛。とくに、頭の後ろにある後頭神経が締めつけられたり痛めつけられたりして起こることが多いが、その原因は緊張型頭痛からくることも。
  • 13 分類できない頭痛
公開日:2001年6月11日