尿に異常があった場合、腎臓・膀胱・前立腺などの病気の疑いが考えられます。代表的なものをまとめてご紹介します。
急性腎炎 | 腎臓に炎症の起こる病気。腎臓内部で血液の老廃物をろ過する器官のはたらきが低下する。 血尿、たんぱく尿、尿量の減少、むくみなど。場合によっては、発熱や咽頭痛を伴う場合も。 |
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慢性腎炎 | 急性腎炎の発病後、尿たんぱくや高血圧が1年以上続いているものか、急性腎炎でなくても尿の異常が1年以上続く病気。 高血圧、むくみ、たんぱく尿など。進行すると徐々に腎不全に陥るので要注意。 |
ネフローゼ症候群 | 腎糸球体(血液の老廃物を濾し取る機能のある腎臓内の器官)の障害によって起こる病気。 高度のたんぱく尿、低たんぱく血症、高脂血症、むくみなど。慢性化しやすく、症状も軽くなったり重くなったりする。 |
腎不全 | 腎機能が急激に低下した状態。慢性腎不全と急性腎不全があり、大半の慢性腎不全は慢性腎炎や糖尿病性腎症などから移行する。 皮膚の紫斑やかゆみ、けいれん、呼吸困難、心不全、嘔吐、など。腎機能が低下すると、尿毒症になる恐れがあり、透析が必要になる。 |
尿路感染症 | 尿路(腎臓の腎盂、尿管、膀胱、尿道)の器官に炎症を起こすのが尿路感染症。とくに女性は尿道が短く、菌が入りやすいためかかりやすい。 腎盂炎は、高熱、腰や背中の痛みが特徴。膀胱炎の場合は、頻尿、残尿感、排尿後の不快感が特徴。 |
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腎・尿路結石 | 腎臓、尿管、膀胱、尿道の尿路に石のようなかたまり(結石)ができる病気。 腎結石より尿管結石のほうが激しく痛む。特に側腹部や腰から背中にかけての部分が激しく痛み、血尿が起こる。結石が尿管にひっかかった場合には、手術が必要。 |
前立腺肥大症 | 男性だけにある前立腺は、尿道を取り囲むような位置にある。その前立腺が加齢とともに肥大して尿道を圧迫してさまざまな障害が起こる病気。 尿道が圧迫されると、尿がちょろちょろとしか出ず、排尿回数が増え残尿感がある。さらに進行すると尿閉といって尿がまったく出なくなることもあり、その場合には手術が必要。 |
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日本では、検尿のシステムがかなり確立されており、集団検診のときに検尿が行われる。腎臓病などは自覚症状がないまま進行してしまい、吐き気などの症状が出てきた時にはかなり悪化していることもあるからだ。
現在、腎臓病が進行すると透析以外の治療がなく、莫大な医療費がかかるだけでなく本人の心理的苦痛を増やすことにもなりかねない。そこで、この検診を受けて早期発見することがとても重要なのである。
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