体を構成する材料ではないけど、それがないとうまく生命活動を維持できないのがビタミンです。ビタミンはいくつかの種類があります。どんなものがあり、どんな食品に含まれているのでしょうか。
ヒトは食物から栄養を摂取して生命を営んでいる。その栄養として必要なものは、大きく分けて5つある。
たんぱく質や脂肪は、血液や細胞などの体をつくるのに必要なもの。また、糖質や脂肪は、体を動かすエネルギーとして必要なものだ。
ビタミン(有機化合物)やミネラル(無機化合物)は、体の機能を調節して、体のなかで起こるさまざまな科学反応を助ける役目がある。
体を構成する材料ではないけど、それがないとうまく生命活動を維持できないのがビタミンなのだ。
現在知られているビタミンは13種類。その内容と、それぞれのはたらき、含まれている主な食品をまとめた。
ビタミン名 | 特徴 | 多く含む食品 |
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ビタミンA | 単一物質ではなく、ビタミンAの効力を発揮する物質の総称。最初からビタミンAの効力を発揮するものと、体内に吸収されてからビタミンAに変わるカロチン(とくに作用するのはβカロチン)とがある。また、目のビタミンと言われるほど視覚と関係が深い。 | レバー、うなぎの蒲焼き、小松菜、にんじん、春菊、卵黄、チーズ |
ビタミンD | D2からD7までの6種類があるが、通常ビタミンDといえば、D2かD3のこと。ビタミンDは肝臓、次に腎臓で変化して活性ビタミンDになり、カルシウムやリンの吸収を助け、骨へと運ぶ役割がある。 | 魚類(サケ、カツオ、イワシ、マグロ、しらす)、しいたけ(なま・干し)、まいたけ |
ビタミンE | 抗酸化作用があり、過酸化脂質の生成をおさえる。また、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす。 | アーモンド、ひまわり油、かぼちゃ、ほうれんそう、たらこ |
ビタミンK | K1からK7まであるが、天然に存在するのは、K1とK2。血液凝固因子の合成を補酵素として助けるはたらきがあり、また、カルシウムの代謝とも深い関わりがある。ただし、腸内細菌の生産によってほとんどまかなえるため心配はいらない。 | 納豆、モロヘイヤ、ブロッコリー、わかめ、ほうれんそう、緑茶 |
ビタミン名 | 特徴 | 多く含む食品 |
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ビタミンB1 | 炭水化物(糖質)を分解してエネルギーに変えるはたらきをする酵素を助けるのに不可欠。ビタミンB1が不足すると糖質をたくさん摂取しても分解することができないため、疲労物質が溜まりやすくなり、疲れやすくなる。 | 豚肉、玄米ごはん、うなぎの蒲焼き |
ビタミンB2 | 脂肪を燃やしてエネルギーに変える時の化学反応を進める酵素を助ける補酵素としてのはたらきがある。脂肪を多くとったら、ビタミンB2も多くとること。 | レバー、うなぎの蒲焼き、牛乳、チーズ、たまご、納豆 |
ビタミンB6 | たんぱく質の成分であるアミノ酸を合成したり、分解したりする補酵素としてはたらく。たんぱく質を多くとったら、ビタミンB6も多くとること。 | アジ、サケ、カジキ、牛レバー、牛乳 |
ナイアシン(ニコチン酸) | エネルギーをつくりだすのに不可欠なビタミン。また、遺伝子の修復にも関与している。 | かつお、ぶり、牛レバー、いわし |
パントテン酸 | 糖質、たんぱく質、脂肪などをエネルギーに変えるのに必要な補酵素。熱に弱く、腸内細菌によっても合成される。 | さつまいも、たまご、食パン、いくら、チーズ、ローヤルゼリー |
葉酸 | ビタミンB12とともに核酸をつくる作用があり、とくに赤血球をつくるときに必要なビタミン。また、遺伝子情報を正しく伝えるDNAの成分のひとつである核酸の合成にも関与している。 | レバー、ほうれんそう、モロヘイヤ、大豆など |
ビタミンB12 | 増血のビタミンと呼ばれるほど、赤血球の熟成に不可欠。また、神経細胞にも多く含まれ、不足するとイライラしたり、憂うつになったりする。 | いくら、牛肉、カキ、いわし、たらこ、のりなど |
ビオチン | 脂肪酸やアミノ酸の代謝を促進し、主に皮膚を正常に保つはたらきがある。ただし、卵白と一緒に摂取すると吸収が妨げられる特徴がある(1日1~2個程度なら問題はない) | レバー、牛乳、たまご、大豆 |
ビタミンC | コラーゲン(細胞と細胞をつなぐ結合組織や骨などを丈夫にしているたんぱく質)の合成に必要。また、副腎から分泌されるホルモンの合成にも必要である。 | 柿、いちご、みかん、レモン、ブロッコリー、トマト、ピーマンなど |