めまいを感じた場合、めまい以外の症状を確かめ、受診にあたっての手助けとしましょう。めまいを引き起こす病気はいろいろあります。メニエール病や自律神経失調症などの心身症はめまいを伴うことがあります。不眠症もめまいの原因のひとつです。
めまいを感じた場合、めまい以外の症状を確かめることが必要です。その症状によって、何科に受診したらいいのかを判断するといいでしょう。
耳鳴りや難聴がある場合には、内耳に障害がある場合が多いようです。まずは、耳鼻科に行くといいでしょう。この場合には、突発性難聴、メニエール病、内耳炎、聴神経腫瘍などの病気が考えられます。
しゃべり方がすこしゆっくりになったり、歩くときにふらつくような場合、また激しい頭痛を伴うような場合には、脳梗塞や小脳出血などが疑われます。内科(神経内科)での受診がおすすめです。
車をバックさせるために後ろを見たときや、シャンプーをしているときにめまいが起こる、などという場合には、良性発作性頭位眼振の可能性が高いようです。これは、内耳にある耳石器官に障害があるときになりやすいため、耳鼻科へ行くといいでしょう。
過度のストレスが続くと、メニエール病や自律神経失調症やパニック障害、起立性調節障害などの心身症が起こります。これらの障害は、めまいを伴うことがあります。
メニエール病とは、フランスの内科医メニエールによって発見された病気で、吐き気や嘔吐を伴うぐるぐる回るようなめまいを繰り返し、内耳の中に水腫(むくみ)ができるもの。メニエール病は、肉体的・精神的ストレスが誘因となって起こることがあります。
睡眠は人が生きていく上で大切なものです。しかし、最近では夜型人間が増え、同時に睡眠障害を訴える人も増えています。このように、睡眠が規則正しくないと、めまいを起こすこともあります。まさに、生活習慣の乱れがめまいを起こすので、めまいも「生活習慣病」といってもいいほどです。
意外と不眠症がめまいの原因と気がつかない人も多いので、めまいを感じたら、一度自分の睡眠を振り返ってみることが必要です。
参考文献:「めまいを治す」 神崎仁著 慶應義塾大学出版会