疾患・特集

DHA、EPAの健康パワーのヒミツはこれ!

いわゆる生活習慣病といわれる病気は、どの病気も食生活と深い関係があるといわれています。食事がその病気の原因にもなりますが、食事によって病気が治ることもあるといわれています。とくにDHAやEPAには、これらの病気を予防・改善するはたらきがあるといいます。そのはたらきを見てみましょう。

血液をサラサラにして血栓予防

EPAには血液を固まりにくくする作用があるといわれています。
血液が血管で固まったものを血栓といいますが、この血栓で血管が詰まると血液が流れなくなり、脳に血栓ができれば脳血栓、脳卒中などを起こす可能性があります。同様に、心臓の筋肉に酸素や栄養を与える動脈の一部が硬化や血栓によって狭くなったりふさがったりすると心筋梗塞を起こしやすくなります。
これらの血栓ができるのを防ぐ効果がEPAにはあるといわれています。

気になるコレステロール値を下げてくれるDHA

コレステロールと聞くと悪いものだと思う人も多いのですが、必ずしも悪いものとは限りません。コレステロールには善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)と呼ばれるものがあり、この二つのバランスが崩れ、悪玉コレステロールが増えすぎると血管壁にコレステロールがたまって動脈硬化が進む原因となります。 DHAには、この悪玉コレステロールを減らす作用があります。
また、中年になると気になる皮下脂肪の主成分である中性脂肪を減らすはたらきもあるのです。

DHAで頭がよくなる!

実は、DHAは脳に大きな影響を与えるといわれています。脳には約140億個の細胞があるといわれていますが、この細胞にはニューロンという突起した神経細胞があり、このニューロンから伸びた突起とほかの神経細胞が結合している部分をシナプスといいます。このシナプスは電話局や放送局のようなはたらきがあり、ここでさまざまな情報の伝達が行われています。DHAはこのシナプスにも入ることができ、このシナプスの情報処理能力の良し悪しに関係しているといわれています。つまり、DHAが多いほど、シナプス膜を柔らかくすることができ、情報伝達もスムーズに行くと考えられているのです。
「魚をたくさん食べると頭がよくなる」のはあながちうそではないようです。

妊娠中の女性はとくに魚を食べよう

DHAを摂取して頭がよくなるのは、生まれた後のことばかりでなく、胎児にも大きく影響を与えていることがわかっています。
脳の神経細胞の数は胎児の脳が形成されるときに決定し、生まれた後では神経細胞の数は増えません。当然胎児は母体からDHAを摂取するわけですから、脳の神経細胞を増やし、十分な発達を促すためには、妊娠中の女性はDHAを多く含んだイワシなどを積極的に食べるべきです。
ただし、過剰摂取による副作用についてはまだ解明されていませんので、錠剤などを摂り過ぎるのは避けて、なるべく魚の形で食べるように心がけましょう。

老化やボケも予防できる!

高齢化社会になるにつれてお年寄りが増え、老年期認知症も増えていますが、これは脳の血管が詰まり、損傷するために起こるものです。こうした脳細胞の破壊が、記憶する役割のある部分で起こると認知症になってしまうのです。
脳の神経細胞は生まれてから増えることはなく、年とともに減っていく一方ですが、DHAを十分に摂り、絶えず脳に刺激を与えると残った神経細胞を活性化させることができます。脳は刺激を与えて鍛えれば鍛えるだけ向上する性質があり、これは年をとっても変わらないため、ボケの防止にもなるのです。