クーラーによる冷房病は、体温調節機能のトラブルによって起こります。体温調節機能のトラブルと冷え性の関係をまとめました。また、冷え症はほかの病気を招く可能性があります。
「冷え性」はこうして起こる!
本来、人の体は、暑くても寒くても体温を一定に保つ機能が備わっていると言われています。
しかし、冷え性はこの体温調節機能のトラブルが原因で起こります。その関係をまとめると以下のようになります。
体温調節のしくみ1
周囲の気温が下がると皮膚から脳に「寒い・冷たい」という情報が伝達されます。
冷え性の原因
皮膚にある、温度を感じる神経の機能が鈍くなります。
- 冷暖房完備の生活で、夏も冬も内と外の温度差が激しいです。こういったところを出入りする生活を続けているために、気温の変化を感じる神経が鈍くなります。
- 夏も冬もビールやジュースなど冷たい飲み物や食べ物をとるため、内臓内の温度調節機能も鈍くなります。
- ハイヒールなど足に合わない靴をはき続けることで、温度を感じる神経をはじめ、足先の感覚が鈍ります。
体温調節のしくみ2
脳内の自律神経から、体温調節のための指令が体の各器官に送られます。
冷え性の原因
自律神経がうまく機能しなくなります(自律神経失調)。
- 自律神経は、喜怒哀楽などの感情をコントロールする神経中枢(交感神経、副交感神経)の影響を受けているため、強いストレスが続くと上手く機能しなくなることがあります。
- 自律神経は、女性ホルモンの分泌をコントロールする神経とも密接な関係にある。このため、出産、閉経時などに自律神経のバランスが崩れ、冷え性になる女性が多いようです。
体温調節のしくみ3
皮膚の毛細血管が一時的に収縮し、皮膚からの体温の放熱を防ぐ。
冷え性の原因
血流が悪いため末端まで暖かい血液が流れにくくなります。
- 動脈硬化などが原因で血管が細くなり、末端の毛細血管に温かい血液が流れにくくなっています。
- 静脈の流れが悪いため、動脈の血液が体中にいきわたる前に冷えてしまいます。この状態を「静脈のうっ血」といい、手足のほか下腹部でもよく起こり、女性の腰の冷え性の主な原因になっています。
- 貧血(血液の量が少ない)、低血圧(血液を全身に流れさせる力が弱い)のため、温かい血液が毛細血管まで届きません。
「冷え性」が招く体の不調
西洋医学では「冷え性」という病名はありませんが、冷え性が原因と考えられる病気はあるようです。