夏にピークを迎える食中毒。「ただの腹痛だろう」なんて甘く見ていると取り返しのつかないことに…。食中毒を未然に防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。
「ただの腹痛だろう」と甘く見ていると、取り返しのつかないことになりかねないのが、夏の食中毒です。梅雨の時期を迎えると、下痢や腹痛、嘔吐などの症状が全国各地で出たというニュースを耳にすることも多くなるでしょう。届け出のない場合もあるので、実際の食中毒の被害者は、報道されている人数より多い可能性もあります。
何が原因で食中毒になることが多いかは、時期によって異なります。冬であれば、ノロウイルスをはじめとしたウイルスによる食中毒が多いのですが、夏は細菌が食中毒の原因の多くを占めます。食中毒を引き起こす細菌には、次のようなものがあります。原因食品に挙げられているものを口にする際は、特に注意が必要と言えます。
夏の食中毒の原因物質
(2013年6月~8月:患者数3,008人)
出典:厚生労働省 食中毒統計資料
食中毒の基本的な対策として重要なのが、手洗い、調理器具の消毒、肉・魚の十分な加熱などです。これに加えて、食べ物が傷みやすい夏は、自宅から学校や職場に持っていく弁当に特に注意して、次のような対策をとることを心がけましょう。
細菌は、水分が多い環境で増殖しやすいので、おかずの汁気をしっかりと切りましょう。ご飯やおかずの湯気は、冷えると水になってしまいます。弁当箱に詰める前に、冷蔵庫に入れるなどして冷ますようにしましょう。
前日の夕飯のおかずを弁当に詰めることはよくありますが、食中毒のリスクを考えると、夏はなるべく避けたいものです。使いたいときは、冷蔵庫で保管しておき、再び火を通してから冷まして弁当箱に詰めるようにしましょう。
毎日の弁当で重宝する、冷凍食品のハンバーグや唐揚げなどにも、食中毒のリスクはあります。冷凍する前に調理済みだからといって油断せず、しっかりと加熱しましょう。
弁当箱のふたには、パッキンと呼ばれるゴムが付いている部分があります。ここは汚れが残りやすいので、分解して洗うと良いでしょう。洗った後は、しっかりと乾かしましょう。