疾患・特集

「レビー小体型認知症に関するアンケート」結果発表

healthクリックは、レビー小体型認知症に関するアンケートを実施致しました。 レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に比べて、一般的には、まだあまり知られていない病気です。名前や具体的な症状を知らなかったという方々からは、「怖くなった」「不安になった」等のコメントを多数いただきました。一方で、ご家族がレビー小体型認知症だという方々から届いたのは、切実ともいえる介護の現実です。
みなさまから寄せられたこれらの声を、集計結果とあわせてご紹介します。

実施期間 2011年4月25日(月)~10月17日(月)
回答者数 106名
性別 女性66名、男性40名
年代 10代…2名、20代…6名、30代…11名、40代…25名、50代…28名、60代…25名、70代以上…9名

レビー小体型認知症を少なからず知っていたと回答していたのは約50%

レビー小体型認知症を「知らなかった」と回答したのは50%

Q1.「レビー小体型認知症」をご存じでしたか?

アルツハイマー型認知症に比べ、認知度が低いと思われたレビー小体型認知症だったが、「知らなかった」と回答したのは50%。一方で「名前だけ知っていた」「症状まで知っていた」「症状から治療法まで知っていた」をあわせて、レビー小体型認知症について何かしら知っていると答えた割合は50%にのぼった。

「もの忘れ」以外の症状が認知症にあることを知ることが早期治療の近道

「もの忘れ」以外の症状が認知症にあることを知ることが早期治療の近道

Q2.認知症に「もの忘れ」以外の症状があることをご存じでしたか?

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症と異なり、実際にはその場にいない人、子供、虫や猫などが見える「幻視」が、初期の症状として現れることが多いのが特徴。もの忘れ以外にも症状はあるとは知りつつも、具体的な症状まではまだ知られてはいないようだ。
具体的な症状が知られていないために、なかなか専門医の診察を受けない患者も多いのではないかと推測され、症状を知ることが早期治療の近道になると考えられる。

認知症になるのではないかと不安を持っている方は60%も!

認知症になるのではないかと不安を持っている方は60%も!

Q3.ご自分が認知症になるのではないという不安はありますか?

不安があると答えた方は60%となり、回答の大半を占めた。
「具体的にどのようなことが不安か?(複数回答可)」という問いに対してもっとも多かったのは、「治療費が家族にとって大きな負担とならないか(35票)」ついで「医師やヘルパーなど、どんな人のお世話になるのか(29票)」という結果だった。

長期にわたって治療が必要な認知症において、「治療」や「介護」については大きな不安となっている事を示す結果となった。

  • 独り身なので、自身が認知症になったことに気づけないのではないか、と言う事や、世話をしてくれる人がいないことが不安です。(40代 女性)
  • 自分のせいで、家族に迷惑や嫌な思い等かけたくない。(50代 女性)
  • 暴言を吐いたり人を傷つけるような言動や行動で迷惑をかけてしまうんじゃないか、子供がいないので、将来そうなった時に施設などハード面で施設が足りているのか?高額でお金が無いと施設入所できないのでは?と不安です。(40代 女性)

認知症になってしまった時の準備は「何をしていいか分からない」

Q4.身近な人やご自分が認知症になったときの準備はしていますか?

認知症になったら…という不安は抱えつつも、認知症になったときの準備となると何をしていいかわからない、という現状がうかがわれる。
一方、TVや新聞、インターネットから積極的に情報を集めているという回答も多い。
ネットが普及した今、上手に使って情報をつかんでいくことは、疾患に早く気づく近道だといえる。

ご家族などに認知症の症状がある方々の声

最後に、レビー小体型認知症特集を読まれたみなさまからのご意見・ご感想の中で、印象に残ったものを下記にまとめた。

  • 義母が13年程前に、アルツハイマー型認知症と診断されました。その後、テレビ番組で、レビー小体型認知症のことを知り、義母は当時の症状からレビー小体型認知症ではなかったかと思っています。(40代 女性)
  • レビー小体型認知症はとても恐ろしい病気です。身体の介護が大変なのは重々承知していましたが、家族を言葉で傷つけ、今までの人生を自分で踏みつけ壊してしまう被害妄想という症状もあります。レビー小体型認知症の母を見ていると、「長生きはしたくない」と思うのが本心です。(40代 女性)
  • 3ヵ月前までは本当に普通に生活していたのに、今ではかなりの被害妄想で家族を攻撃し、心身ともに疲れています。こんなに急激に悪化するものなのでしょうか。最初の病院で「アルツハイマー型認知症まではいたっていませんが前段階なので、早期発見で良かったですね」といわれましたが、パニック症のような症状がなかなか治まらないので向精神剤を服用していたら、あっという間に症状が悪化しました。これからますます悪化していくのか、今の状態が初期症状なのかだいぶ進行しているのか、わからないことだらけです。(40代 女性)
  • 最近幻覚が見えると言われ、気になっていたところたまたま記事を見かけたので読んでみたが、読めば読むほど当てはまり不安になった。もっと細かく詳しい対処法などを知りたい。(30代 女性)
  • 父がパーキンソン病からレビー小体型認知症となり、9ヵ月病院にいます。尻もちをつき、腰を骨折して入院し、それから急激に認知症の症状が悪化していきました。急な入院だったので1度でも家に帰してあげたいのですが、母1人での介護は無理です。せめて幻視や大声などがなければ、家での介護ができたと思うのですが…。もう寝たきりで、誤飲の恐れから今では食事もできません。今後は良い薬が開発されていくといいですね。私はまだ47歳ですが、「自分もレビー小体型認知症になり、家族に迷惑をかけることになるかもしれない」と恐れています。(40代 男性)
  • 元気なときからとても気難しい人だったので、この病気のせいなのか、元々の性格なのか、迷うことが多い。いらいらしたり、腹が立ったりすることもある。穏やかな気持ちですべてを受け止めてあげるのがしんどいと感じる。(50代 女性)
  • 認知症で介護している家族がいますので自分自身はだいたいは理解しているつもりです。徘徊などもあるので、理解してもらおうと思いご近所さんにもわけを話しますが、「そんなことを他人に話して…」と眉をひそめる人がまだいることも事実です。いろいろな情報を出してもらい、認知症についてもっと理解が深まることで介護者も被介護者も楽に介護に向き合えると思いますので、どんどん色々な情報を出して一般により深く認知して欲しいと思います。(40代 女性)
  • 訪問介護の仕事をしています。レビー小体型認知症の患者様がいらっしゃるのですが、その方の介護などに携わっていく中で、認知症への理解や勉強が今後は必要であると痛感しております。(30代 女性)