「もしかして、私は関節リウマチかもしれない」と思っても、診察や検査への不安があると受診に至らないことがある。
少しでも早い診断と治療のためにも、診察・検査についての理解を深めよう。
患者さんの動作や関節の腫れ、痛み、動き具合など、関節リウマチの症状を確認するために医師による視診や触診が行われる。 また、問診を行って、朝のこわばり、痛み、日常生活への支障、貧血やだるさといった症状の有無や程度が確認される。いつから症状を感じ始めたか、朝のこわばりの持続時間などの自覚症状を、きちんと医師に伝えるようにしよう。
おもに以下のような検査を行い、それぞれの結果や診察の結果をふまえ、総合的に関節リウマチであるかどうかを診断する。
赤沈 | 体内で炎症が起きているかどうかを調べる。風邪や肺炎など、あらゆる炎症に反応するため、関節リウマチを診断するためには、さらに詳しい検査が必要。血沈(けっちん)とも呼ばれる。 |
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CRP (C反応性タンパク) |
体内の炎症、組織や細胞の急激な破壊が起きているかどうかを調べる。感染症や悪性腫瘍などの病気でも反応するため、関節リウマチを診断するためには、さらに詳しい検査が必要。 |
RA反応 | 血液中には、体内に入ってきた有害物質から、からだを守るIgGというタンパク質がある。関節リウマチ患者さんの8割からは、IgGを有害物質と勘違いし攻撃するリウマトイド因子が検出されるため、これを調べる検査。関節リウマチの診断として有用だが、2割の患者さんからは検出されないため注意が必要。 |
手および症状のある関節にエックス線をあてて撮影する。骨のもろさ、関節の変形、破壊されている骨の有無や程度などを調べる。
腎臓の機能に障害が起きたときに尿中に検出される、尿タンパクや尿糖などを調べる。腎臓の機能が悪いと、関節リウマチの薬が服用できないことがある。
症状のある関節に注射器を刺し、抜き取った滑液の色、粘り、成分を調べる。関節リウマチの場合、黄色透明な滑液が白く濁り、粘り気が低下する。また、炎症が起きたときに現れるタンパク質などが検出される。