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いざ実践!骨盤底筋体操と失敗しないトイレ生活のコツ

骨盤底筋体操、実践のコツ

過活動膀胱には、自分でできる治療として「行動療法」と呼ばれるものがある。その代表が「骨盤底筋体操」だ。骨盤の底にある筋肉を意識しながら、膣や尿道を締めたり緩めたりをくり返すだけなので、いつでもどこでもできる。しかし、自己流の間違った方法で続けていても効果はないので、最初に正しいやり方を習得することが必要となる。また、効果が現れるまでには2~3ヵ月かかるが、毎日朝晩、気長に続けることが重要だ。

コツを得るまでは自分でもチェックして!

自分が行っている方法が正しいかどうかは、指を膣の中に入れて、骨盤底筋体操を行ったときに、指に締まるような感覚が得られるかどうかで簡単にチェックできる。

また、膣内にセンサーを入れた状態で骨盤底筋体操を行うことで、膣内の筋肉の活動を調べることができるバイオフィードバック療法(保険適用外)を行っている施設もある。そのほかには下腹部とでん部の4ヵ所に低周波治療器のパッドに似た電極を貼って動かすことで、骨盤底筋や膀胱に低周波の刺激が届く干渉低周波療法というものもある(回数によって保険適用あり)。まずは自分でやってみて、それでも不安を感じるようなら主治医に相談してみよう。

行きたくなっても、一呼吸。膀胱訓練で自信をつけよう

膀胱訓練

膀胱訓練

そのほかの行動療法には「膀胱訓練」がある。過活動膀胱の場合、膀胱に尿を溜めていられる時間が極端に短くなってしまい、溜めることができる尿量も少ないのが特徴だ。そこで、まず尿意を感じても、そのままトイレに行ってしまうのではなく、時計を見ながら5分我慢してみよう。

定時排尿

また、頻尿や尿失禁の症状が強い場合には、定時排尿という行動療法もある。これは、尿意を感じてから何分我慢するということではなく、たとえトイレに行きたくない状態であっても、常に決めた時間間隔でトイレに行き、排尿するという方法。最初は自分の状況に応じて、短い時間間隔で設定しても良いが、1週間単位で徐々に時間を延ばしていき、最終的には2‐3時間間隔を目標とする。決めた時間内は、骨盤底筋体操を行ったり、リラックスするなどして、できる限りトイレを我慢するようにしよう。とくに骨盤底筋体操を習慣づけておくと、いざ尿意が襲ってきたときにも、尿道や膣を締めることができ、我慢しやすくなる。

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