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「血糖値が高い」あなたを襲うリスクとは?

健康診断で血糖値が高いと指摘された段階で、すでに糖尿病を患っている場合が多いようです。糖尿病危険度チェックでチェックしてみましょう。

自覚症状がない!?だけど本当は怖い…

healthクリックが行ったアンケート調査によると、健康診断で「血糖値が高い」といわれ、かつ通院をしている人は全体のわずか6%でした。
確かに血糖値が高いだけではほとんど自覚症状がないため、問題意識が薄くなりがちです。そのため、健康診断で血糖値が高いと指摘された段階で、すでに糖尿病を患っている場合が多いようです。しかも健康診断を受けていない人では、合併症の症状があらわれるまで糖尿病に気づかないこともあるとか。
血糖値が高いといわれたことがあり、「糖尿病危険度チェック」でいくつかチェックがついた人は要注意です。

糖尿病危険度チェック

出典:糖尿病対策推進会議資料

血糖値は、正常型、境界型、糖尿病型のいずれかにあてはまりますが、このなかの境界型にあてはまる人は、糖尿病まで進行していないものの、血糖値が高めであることから、「糖尿病予備軍」と呼ばれています。糖尿病と診断されるのは随時血糖値200mg/dL以上が確認された場合、早期空腹時血糖値126mg/dL以上が確認された場合、そして75gブドウ糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上が確認された場合となります。

75gブドウ糖試験による血糖値の判定

症状がないのは今のうち?怖いのは合併症

糖尿病は、それ自体にはほとんど自覚症状がありません。では、なぜ「怖い病気」だといわれているのでしょうか。それは大きな自覚症状がないまま糖尿病が進行することで起こる「合併症」にあります。糖尿病の3大合併症といわれるのが「糖尿病性網膜症」「糖尿病性神経障害」「糖尿病性腎症」です。

現在、視力を失う原因のトップになっているのが「糖尿病性網膜症」。透析患者の原因のトップは「糖尿病性腎症」です。そして「糖尿病性神経障害」が起こると足先などに壊疽が発生することが多く、足の切断を余儀なくされることもあります。
こうした合併症を防ぐためにも自覚症状のないうちからこれ以上進行させないための生活を送ることが必要になります。

メタボリックシンドロームにならないために

メタボリックシンドロームにならないために

内臓脂肪の蓄積で、ウエスト周囲径が男性で85cm以上、女性で90cm以上を必須条件とし、「高血圧・脂質異常症・高血糖(血糖値が高い)」のうち2つ以上が該当する場合をメタボリックシンドロームといいます。この状態にある人は動脈硬化などを起こしやすいだけでなく、日本癌学会では、胃がんのリスクが高まるとの研究結果も発表されています。
実際に糖尿病に高血圧、脂質異常症、肥満を同時に抱えている人は多く、現在血糖値以外の検査データに異常はなくても注意が必要です。また最近は糖尿病予備軍であっても脳卒中や心臓病を起こすケースも増えています。

血糖値が高いということは、これらのリスクをすべて背負っているということを自覚する必要があります。しかし、難しく考える必要はありません。あせらず、無理せずできる方法で、糖尿病を進行させない生活を実践しましょう。