最初に紹介したように、尿もれを治すにはまず、骨盤底筋体操をやってみることだ。とくに腹圧性尿失禁は骨盤底筋がゆるんで膀胱や尿道が下がっているのが原因なので、弱くなった筋肉を訓練して強くすることは、尿もれ改善の第一歩となる。骨盤底筋体操を根気よく続けた結果、尿もれが治る人も多くいる。
このトレーニングの良いところは
正しい方法で、毎日続けるだけで効果は確実に現れる。しかし、効果が出はじめるまでには2~3ヵ月はかかるので、途中であきらめずにつづけることが必要だ。
仰向けの姿勢であおむけに寝て、足を肩幅に開く。次にひざを少したて、体の力を抜き、肛門と膣をしめたままゆっくり5つ数える。
※朝晩、布団の中でもできる!
ひじやひざをついた姿勢で床にひざをつき、クッションや座布団の上にひじを立てて手にあごを乗せる。次に肛門と膣をゆっくり締めたまま5つ数える。5つ数えたら力を抜き、また締める。
※新聞や雑誌を読みながらでもOK!
机にもたれた姿勢で机のそばにたち、足を肩幅にひらく。手も肩幅に広げて机につく。その姿勢で体重を全部腕にかけ、背中はまっすぐ伸ばして頭を上げまっすぐ前をむく。肩とお腹の力を抜いて、肛門と膣を締める。
※台所のシンクや食卓でもできる!
すわった姿勢で床につけた足を肩幅に開き、背中をまっすぐに伸ばし、頭を上げて前をみる。肩の力を抜き、お腹が動かないように。またお腹に力が入らないように注意しながらゆっくり肛門と膣をしめる。
※電車やバスで座りながら。家でテレビを見ているときにもできる!
尿もれを改善するには、骨盤底筋体操、薬による治療に加えて、ふだんの生活でとりくめる対策がある。この症状を改善するのに何より大切なことは、「治したい」という気持ち。その気持ちをさっそく実行に結びつけていこう!