ヨーグルトや甜茶、シソ…。毎年繰り返される、数多くの花粉症対策情報。その真偽について、専門医にたずねました。
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花粉症対策についての口コミ情報や民間療法は、「効く人もいる」というもので、必ずしも万人に効果があるわけではありません。こうした情報のなかには、後に医学データが蓄積し、医学的な治療法として確立されるものもあるかもしれませんが、いつのまにか消え去っていくものも少なくないので、注意が必要です。
ヨーグルト科学的な裏づけについては、まだヒトでは証明されていません。また、通常のビフィズス菌では、アレルギーを抑えられないこともわかっています。ただ、この件については、多くの科学者や医師が関心を持って追求しているので、将来もっと具体的なことがわかるかもしれません。
サプリメントも、自分の体質にあったものが見つかれば、症状が緩和されることがあります。ただし、サプリメントはあくまでも「健康食品」。即効性を求めて飛びつくのではなく、前もって準備し、継続していくことが大切です。
病気の起こり方から考えれば、風邪と花粉症は無関係です。しかし、風邪をひいて鼻の粘膜が腫れれば、花粉が侵入しやすくなり、花粉症は悪化しやすいと考えられますし、花粉症のピーク時に風邪をひくと、アレルギー反応で炎症を起こしている鼻や目の粘膜は、二次的に感染した風邪のウイルスやばい菌などにより、さらに炎症がひどくなり、症状が悪化してしまうと言えます。
自律神経の末端は皮膚の表面にあります。ですから、皮膚を鍛えることは確かに自律神経をコントロールし、結果的に粘膜を強くすると考えられるでしょう。しかし、皮膚の弱い人やドライスキンの人、アトピー性皮膚炎のある人には乾布摩擦はおすすめできません。
肉動物性脂肪を摂り過ぎると、リウマチ、乳がんや大腸がんなどが増えるだけでなく、アレルギーの病気も悪くなることが知られています。ですが、1回だけすき焼きを食べたからといって、アレルギーになるわけではありません。あくまで長期の食生活が問題なのです。
アレルギー症状を抑えるとして知られているものに、イワシ、サバ、アジなどの青みの魚の中に含まれているEPAやDHA、シソ油に含まれるa-リノレン酸などがあります。食事などから摂取したa-リノレン酸は、体内でEPAに変わり、その後DHAに変わります。ですから、これらのどれを摂取してもよいのです。ただし、基本は1日30品目を目指して、まんべんなくさまざまのものを食べること。
一般的には、炎症があるときにはそこを冷やします。火傷を温めないのと同じです。目がかゆいときには、まず顔や目をよく洗い、タオルなどで軽く冷やした後、点眼剤を用いるとよいでしょう。
花粉症に限らず、アレルギーの病気は過労やストレスなどで体力が低下すると症状がひどくなりがち。この期間は体調や心の状態に気を使う必要があるでしょう。
一度アレルギー性鼻炎になってしまうと、鼻の粘膜がさまざまな刺激に対して過敏になります。タバコや排気ガス、有機物質(シックハウス症候群)などで汚れた空気、さらに温度変化だけでも鼻の粘膜に症状がでるので要注意。アルコールは毛細血管を拡張させるため、鼻の炎症がひどくなります。控えめにお飲みになることがよろしいでしょう。