疾患・特集

抗酸化でアンチエイジング&スキンケアQ&A

紫外線を浴びると活性酸素が発生し、シミやシワなどの皮膚の老化を招く。そのメカニズムについて解説。また、日焼け止めと紫外線カットの関係、手荒れが悪化した手湿疹への活性酸素の影響について解説。

皮膚の老化を防ぎたいなら、紫外線をブロック!

紫外線をブロック!

シミやシワなどの皮膚の老化。これにも実は活性酸素とのつながりがある。皮膚の老化に大きく関係するのが紫外線だが、紫外線を浴びると皮膚に含まれる脂質が酸化されて過酸化脂質が作り出され、ここに紫外線を吸収したメラニン色素が集まることでシミがつくられてしまうのだ。またシワができるのは、紫外線を浴びることによって活性酸素がたんぱく質のコラーゲンや線維組織のエラスチンを変性させ、皮膚の弾力を失わせてしまうからである。つまり、皮膚の老化を防ぎたいなら、紫外線をブロックする工夫をすることで活性酸素の発生を抑えていくことも重要なのだ。

以下に、皮膚の老化に関わる質問への回答を紹介するので、参考にしてみよう。また、手荒れが治りにくくなる「手湿疹」にお悩みの方も多いだろうが、これに関しても以下のQ&Aで回答したので参考にしてみよう。

UVケア商品のSPF値、PA値は高ければ高いほど、活性酸素対策にはやっぱり有効なの?

海水浴に行くと皮膚が赤くなってヒリヒリ痛んだ経験がないだろうか。これは紫外線のうちのUVBが引き起こした日焼け。また、紫外線を長い期間浴びていると、いずれ色素が沈着してシミができる。これはUVAが引き起こした日焼けである。日焼け止めにはこれらの紫外線の害から皮膚を守る成分が配合されているが、その強度をみるのが「SPF値」と「PA値」であり、それぞれUVB、UVAを防ぐ効果の指標となっている。

日焼け止めを選ぶ際、紫外線カット効果を高めるために数値が高いものを選びがちであるが、日常に使う分にはSPF20、PA++程度でも十分に効力を発揮する。ただし、日焼け止めは汗とともにはがれてしまうこともあるので、日常では数値にこだわるより塗りなおしに気を配ったほうがよいだろう。また、日焼け止めを使う際には、自分の皮膚に合っているかどうかを基準にして選ぶことも大切。化粧品には保存や乳化、香りづけなどの目的でさまざまな添加剤が含まれている。皮膚に合わないものを利用していると、活性酸素が発生して逆に皮膚のトラブルや老化を招くことにもなりかねないので注意しよう。

手湿疹になり傷口が化膿すると、活性酸素が増えて症状が治りにくくなるのはどうして?

早めの手当てを!

手荒れがひどくなると、皮膚のバリア機能が衰えて傷口が治りにくくなり、1年中ジュクジュクした湿疹ができてしまうこともある。これが「手湿疹」。水をよく使う職業の人や、主婦などに多い皮膚のトラブルである。

このトラブルが長引くのも、活性酸素の害が影響している。皮膚に傷ができるとそこから細菌やウイルスが侵入するが、これらを排除しようと白血球の仲間である好中球やマクロファージが集まり、活性酸素を放出して対抗する。しかし、このとき活性酸素が振りまかれることで傷口に炎症が起こってしまい、この状態を長く放置したり、かきこわしたりすると皮膚のバリア機能がなかなか元に戻らなくなり、傷口が治りにくくなってしまうのだ。手荒れが生じたときには消炎剤や消毒液などを塗って早めに傷を治し、活性酸素の害に長期間皮膚をさらさないようにすることが大切なのだ。

公開日:2004年6月14日