疾患・特集

集中力は誰もが持つビッグパワー

集中力とは何か、なぜ何時間も集中できる人とできない人がいるのか。集中しているとき、脳内はどんなはたらきをしているのか。集中力の基本をご紹介。

集中力のない人は、いない

あなたは、「集中力が足りない」とか、集中力を発揮したいときに「集中できない!」と悩んだことはないだろうか?多かれ少なかれ、誰もが悩んだことがあるはず。だが、そこで「自分は集中力がない」と諦めてしまうのは早計というもの。

「集中力」とは、ひとつのことに心身ともに傾ける力のこと。ここで思い出してみてほしい。遊びでも、趣味でも、何かに夢中になったことはないだろうか?そう、これは特別な才能ではない。集中力は誰もが持つ大きな能力なのだ。もし、「最近、集中力がなくて…」と感じるなら、それは集中力を発揮するコツや、集中するという感覚をちょっと忘れているだけなのだ。

集中力と脳内物質

集中力と脳内物質

集中力が発揮されているとき、脳内ではドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が活発に分泌されている。ドーパミンは、何か興味のあることをしているときなどに分泌される脳内物質で、脳を覚醒させ、集中力を高める作用を持っている。脳内では、このドーパミンのはたらきで、集中力が高められていくのだ。
だが、こと勉強や仕事となると、自分の興味や関心のあることばかりではない。このために、なかなか集中力が発揮できないという状況に陥ってしまう。

しかし、安心してほしい。本来、自分の興味や関心のある事柄ではなくても、集中力を発揮することはできるのだ。脳内物質でこれを見てみると、 別名「やる気のホルモン」と呼ばれる「TRH」が、集中力をサポートしてくれる強い味方。
TRHは、興味・関心があるものに取り組んだときにも分泌されるが、たいして興味のない事柄であっても、やりはじめることによって活発に分泌される。そう、何はともかく、やりはじめてしまうことが、集中力を発揮する最短コースなのだ。

集中力の持続時間には個人差あり!

集中力の持続時間には個人差あり!

集中力が持続する時間は、平均15分だとも90分だともいわれる。周囲の人を見回してみても、1時間や2時間は集中力を発揮していられるように見受けられる人がいるのではないだろうか。「集中力がない」と嘆く人には、こうした集中力の持続時間を意識し過ぎている人が意外に多い。だが、持続時間が短くても悲観することはない

例えば、自分の集中力の持続時間が5分だとしても、その5分の集中を何度でも繰り返せば良いのだ。これは達成感にもつながりやすい。例えば「この5分で、これだけやろう」と短期集中できる目標を設定すれば、どんどん効率をアップしていけるのだ。大切なのは、持続時間ではなくて、集中力をいかに効果的に発揮するか。この点は、しっかり押さえておこう。

子供の集中力UP法は「よく遊べ」

子供は大好きなオモチャや人形などがあると、時間も忘れて遊んでいることがある。こんなとき、途中で中断させてはいないだろうか。実は、大好きな遊びで夢中になって遊ぶこと、これこそが集中力育成の第一歩。子供なりに工夫し、アレンジして遊びながら、集中力と、その持続を体験として蓄えているのだ。こんなときは、思う存分に遊ばせてあげよう。
また、今の遊びを少し発展させたり、ちょっとレベルをあげてあげるように持っていくと、なおよい。少しずつレベルアップしていくことで、できることが増えていき、満足感や達成感を実感として持つことができる。こうした子供時代の満足感や達成感が、将来、集中力を発揮しなければならないときに力となるのだ。

公開日:2004年4月26日