疾患・特集

工夫次第!活性酸素を最小限に

基礎代謝量の高さ、運動量の多さ、ストレス、疲労なども活性酸素を発生させやすい要因だとか。さらに、女性の長寿やハエやゾウの寿命など、ライフスタイルと活性酸素との関わりを紹介。

気づかないうちに、体は酸化している!?

活性酸素によるダメージは体のあらゆる場所に出てくる。全身に酸素を運ぶ血管や、酸素をもらう臓器はもちろん、紫外線による害を受けやすい肌や目なども代表的な攻撃対象。

血管がダメージを受けると動脈硬化を促進したり、心臓病や脳卒中などの引き金になることも。また、体中の各器官でがんが発生したり、さらには、糖尿病やアトピー性皮膚炎、認知症、白内障などが引き起こされるのも、活性酸素が一因では?といわれている。

激しい運動で、かえって体を壊していない?

健康を維持するためには、適度な運動も必要だ。しかし運動も度が過ぎると、活性酸素を発生させる要因になることをご存じだろうか?
息が荒くなるほど過激な運動を行うと、急に呼吸量が増えるため、体内で活性酸素を大量発生させることに。こうした活性酸素の大量発生が続くと、体中の組織を痛めつけて寿命を縮めることにもなりかねない。

人間だけではなく、地上の生きもの全体でみても、運動量と寿命には大きなかかわりがあることがわかっている。例えば、活発に動き回るハエやネズミなどは寿命が短く、運動量の少ない人間やゾウ、カバなどは寿命が長い。運動量の多い生きものは、それだけ酸素をたくさん必要とするために活性酸素が発生しやすくなり、寿命が短くなってしまうのではないかと考えられているのだ。

短命と長生き

せかせかしていると、体をさびさせる!?

日常生活においても、睡眠をたっぷりとってゆったりペースで生きている人のほうが、1日中せかせかと忙しく働いている人より、活性酸素にさらされるリスクが少ないといわれている。それには、次の3つの要因が関わっているとか。

  • 1. 残業、夜更かし続きで日々忙しく生活していると、それだけ活動量が多くなるため、活性酸素も発生しやすくなる
  • 2. 疲労をためたままでいると、活性酸素に対抗する抗酸化システムがうまくはたらかなくなり、免疫力も弱まってしまう
  • 3. 常にストレスにさらされることで、血流の乱れや抗ストレスホルモンの分泌が起こり、活性酸素が発生しやすくなる

つまり、運動量をコントロールするだけではなく、気持ちもゆったりもつことが、元気で長生きするためにはとても大切なのだ。

公開日:2004年3月15日