疾患・特集

実践!メディカル&セルフチェック

メディカルチェックの代表ともいわれる健康診断と人間ドックの違いを紹介。そして、これからは、ぜひ自宅でもセルフチェックを!体重測定、体温測定だけではなく、血圧測定、体脂肪測定(体組成計)、心電図測定、脈拍測定をプラスしよう。

メディカルチェックを受けよう!

医療機関で行うメディカルチェックは、日頃自分では気がつかない病気の予兆を発見したり、体のさまざまな器官の健康度を確かめるために定期的に行うもの。「健康には自信があるから必要ない」「若いからまだいいだろう」という人も多いかもしれないが、むしろ自覚症状のないうちから積極的に受け、生活習慣の改善や病気の予防、また病気の早期発見・早期治療に役立てて欲しい。代表的なメディカルチェックには、大きく分けて「健康診断」と「人間ドック」がある。

健康診断

代表的なものには、自治体や職場の健康保険組合などで行われる健康診断がある。健康診断には大きくわけて基本健康診査とがん検診があり、また骨粗しょう症検診、歯周疾患検診などが実施されることもある。年に1回は必ず受診し、健康状態を定期的にチェックしよう。

  • ●主な基本健康診査
    問診、診察、身体計測、尿検査、血液検査、血圧測定、心電図、眼底検査など
  • ●主ながん検診
    胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんなど

人間ドック

健康診断より検査項目が多く、体の状態をより総合的にチェックしたい場合に行うのが人間ドック。1週間ほど入院して内科をはじめさまざまな専門科の検査を行い、医師に健康状態をじっくり相談できる長期ドックや、生活習慣病をメインとした2~3日の短期ドック、検査から判定までの時間を短縮させた1日ドックや半日ドック、また婦人病をメインとしたレディースドック、そのほか、脳ドック、心臓ドックなど専門的なドックもある。

自宅でできるセルフチェックあれこれ

何らかの健康上の不安を抱えている人や、生活習慣病かも、という人は、ぜひ自宅でもセルフチェックを。体重測定や体温測定などはすでに行っている人も多いが、より健康管理を徹底したいなら血圧測定、体脂肪測定、心電図測定、脈拍測定なども必要に応じてプラスしていこう。

体重測定

肥満度をチェックするために行う。一般的にはBMI(ボディー・マス・インデックス)という肥満度を示す指標が使われている。

BMI計算式

BMI=体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]

体温測定

38度以上の急な発熱にはウイルスや細菌などによる感染症が、37~38度の微熱がある一定期間続いている場合には、自律神経の失調や甲状腺機能亢進症、うっ血性心不全、膠原(こうげん)病などの可能性が疑われることもある。また、女性の場合は、排卵後~月経開始前までの期間は女性ホルモンの影響で体温が高温となる。
体温はワキの下か口で測るのが一般的だが、ワキの下で測るときには10分間ほど、口で測るときには5分間ほど安静にして測定するとよい

血圧測定

高血圧や肥満、貧血などを調べるきっかけになるのが血圧測定。1999年にWHO(世界保健機関)が制定した基準を参考に、自分の血圧の状態を見てみよう。

血圧値の見方
血圧値の見方

体脂肪、体組成測定

体組成

身長と体重で肥満度を測定するBMIでは、筋肉量の多いスポーツ選手なども肥満に分類させてしまうこともあるため、体脂肪率も目安にすると肥満度はより把握しやすくなる

最近では、体脂肪だけではなく、体を構成する骨、筋肉、脂肪、水分などの組成分(体組成)などもいっしょに測れる機器も販売されているので、体のバランスをトータルで確認することができる。

心電図測定

心電図

心臓のリズムを測ることで、心臓に異常が生じている可能性がないかどうかをチェックできる。心電図の波形がリズミカルになっていることが大切。波形が不規則に下降・上昇したり、リズムに乱れが生じると、心臓になんらかの異常が生じている可能性がある。波形の微妙な乱れを自分でチェックするのは難しいが、波形を分析してコメントを表示する機能のある装置なども市販されているため、そうしたものを利用するのもカシコイ方法だ。

脈拍測定

誰でもかんたんに測れる脈拍測定。安静時の脈拍が1分間に60~90程度であれば正常だが、90以上になると甲状腺機能亢進症や貧血、心不全などが、60以下では不整脈の疑いがある場合も。運動後や食後、入浴後、起床直後などは避け、リラックスしているときに人さし指、中指、くすり指の3本をそろえて手首などにおいて測るとよい

公開日:2004年3月1日