疾患・特集

メディカル&セルフチェックが予防の要

日本人の3大死因にあげられる生活習慣病。年々、死亡者数も増加するなか、一人ひとりの健康管理の必要性が高まっている。日頃の生活習慣の見直しに加えて、これからはメディカル&セルフチェックを!

なんと6割以上!生活習慣病による死亡

あなたも一度は生活習慣病のリスクについて考えたことがあるのでは?生活習慣病の代表的な疾患ともいえるがんや心疾患、脳血管疾患は、日本人の死亡数の6割以上を占め、なかでもがんや心疾患は年々死亡数も増加傾向にある。日本は世界一の長寿国、健康寿命大国の誉れをもつ国ではあるが、自らの健康を過信せず、日頃から健康管理に努めることが大切と心得よう。

■日本人の全死亡数と代表的な生活習慣病による死亡数

参考:厚生労働省 平成14年人口動態統計(確定数)の概況より

生活習慣病の引き金となる5つの要因とは?

40歳前後から急に死亡数が高くなるために、かつては「成人病」と呼ばれていた生活習慣病。しかし、この病気を引き起こす原因は加齢ではなく、毎日の生活習慣の乱れにあるということから1996年より「生活習慣病」という名称に変更された。

生活習慣病に影響する要因は、大きく以下の5つがあげられているが、心当たりのある人も多いのでは?ちょっとした生活の乱れも、積み重なると思わぬトラブルに発展することも。そうなる前に、早めに改善しよう!

喫煙

禁煙マーク

たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれ、呼吸器系、循環器系などへの影響も大きい。喫煙者は肺がんをはじめとする各種のがんや、虚血性心疾患など生活習慣病へのリスクが高まるため、健康を考えるならやっぱり禁煙を。

運動不足

交通手段の発達や頭脳労働の増加などによって、現代を生きる人々は運動不足に陥りがち。運動不足になると、摂取したエネルギーが体内で十分に燃焼されず、余剰分が脂肪として蓄積されてしまう。これが肥満につながり、さまざまな生活習慣病を引き起こす要因に。歩く機会を増やすなど、体を動かす習慣を意識的に身につけておこう。

飲酒

酒類

週に1日は休肝日を設け、適量を飲む程度なら問題はないが、過度の飲酒を続けていると、生活習慣病へのリスクが高くなる。国が推進している「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒」として1日平均純アルコールで約20g程度と定め、ビールでは中ビン1本500ml、清酒で1合180ml、ウイスキー・ブランデーでダブル60ml、焼酎(35度)で1合180ml、ワイン1杯120mlを目安としている。この数値よりオーバーしている人は、酒量を見直そう。

食生活の乱れ

高カロリー、高塩分食品の摂り過ぎ、ビタミン・ミネラルなどの不足、不規則な食生活、朝食の欠食などを続けていると、生活習慣病の引き金となることも。食生活の乱れに気づいたら、朝昼晩、栄養バランスのよい食事を規則正しく食べる、間食をしない、一度に食べ過ぎないなど、自らコントロールしていこう。

ストレス

仕事による過労や人間関係など、現代人には精神的なストレスを抱えている人が多い。ストレスを感じると、脳や神経がダメージを受けるだけではなく、免疫系や内分泌系など体全体のシステムにも影響を及ぼす。さらに、生活習慣病などの病気を引き起こすきっかけにもなりかねない。休養や睡眠を十分にとる、無理をしないなどの心がけを。

メディカル&セルフチェックのススメ

メディカルチェックとセルフチェック

生活習慣病の予防には、節度ある生活習慣を心がけることはもちろんだが、客観的な数値として自分の体の健康度を定期的に確かめていくことも大切。そのために心がけたいのが医療機関で行うメディカルチェックと、自分で行うセルフチェック。

メディカルチェックでは、自分では気づかない健康上の問題に気づくきっかけを得られるというメリットがある。一方、日常的に行うセルフチェックは、毎日の細かいデータの推移がわかるため、自分の健康状態の傾向を把握するのにとても有効。

すでに自覚しているトラブルがある場合や、こうしたトラブルを早めに発見し、回避したい場合などにはメディカルチェックだけではなく、セルフチェックも積極的に!いまや病気は「かかってから治す」ものではなく、「かかる前に防ぐ」時代。QOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めるためにも、定期健診とセルフチェックの双方のメリットを生かした健康管理がオススメ。

公開日:2004年3月1日