疾患・特集

子どもも産みたい、仕事もしたい!でも体は…

ライフステージの変わりやすい20~30代女性にだるい、疲れやすいなどの不定愁訴を訴える人が増えているようです。その実態や背景について、また葉酸摂取の大切さについて説明します。

ライフステージの変わりやすい20~30代女性は疲れ気味?

■25~34歳女性のストレスの程度 25~34歳女性のストレスの程度
出典:平成12年保健福祉動向調査

一生のなかで最も充実し、エネルギーに満ち溢れた時期ともいわれる20~30代。しかし、この年代の女性にストレスを感じる人が急増しているといいます。平成12年保健福祉動向調査(厚生労働省)によると、25~34歳の女性のうち、3人に2人がストレスを感じているという結果が明らかになりました。
そもそも、この年代の女性は、就職、転職、結婚、出産などライフステージがめまぐるしく変化します。こうした変化に伴ってストレスがたまると、ホルモンや自律神経のバランスが乱れやすくなり、疲れやだるさ、イライラ、憂うつなどの不定愁訴(心身の不調)につながってしまうのです。

スーパーウーマンは疲れをためやすい

スーパーウーマンは疲れをためやすい

「結婚して子供もしっかり育てたいけど、仕事もいままで通りに続けていきたい」「家事も手を抜きたくない」という「がんばり屋」さんは特に注意が必要です。何にでも100%の達成感をめざして気を張り詰めているとストレスが解消されず、不定愁訴を超えて過敏性大腸症候群や慢性頭痛、慢性疲労症候群など心身の病に達することもあります。
こうした女性のストレス病は「スーパーウーマン症候群」と呼ばれています。小さい頃から責任感が強く「優等生」と呼ばれてきた女性に多く、何事も妥協できないタチの人に起こりがち。体力も気力も限界に近いと思ったら、早めに生活パターンを見直すとよいでしょう。もちろん、こうした病気には食生活も大きく関わっているので、食事内容や時間帯のコントロールも大切です。

あなたの健康が子供の未来につながっている

女性にとっては「出産」も大切なライフイベントのひとつです。妊娠中の母親の栄養状態が、生まれてくる子供の健康に大きく関わっていることはすでにご存知でしょう。しかし、妊娠に気づく前から栄養バランスを整えておいたほうがよいことは、意外に知られていないようです。
脊髄や脳などの中枢神経、心臓、手足などは妊娠7週までに形成され、先天異常の多くは各器官が完成する10週までに発生するといわれています。しかし、妊娠に気づく頃にはたいてい5~6週をすぎているため、この段階であわてて栄養管理を始めるのはちょっと遅いというわけです。
特に無脳症、二分脊椎、脳瘤(のうりゅう)などを引き起こし、脊髄や脳が発生するときに奇形が生じる「神経管欠損症」という先天異常が問題となっていますが、この病気は葉酸というビタミンが不足することで起こりやすくなるといわれている。葉酸はビタミンB群の仲間で、レバーや緑黄色野菜や豆類などに比較的多く含まれています。

■妊娠初期の胎児の成長

妊娠初期の胎児の成長