疾患・特集

脂質異常症、こうして予防&こうして治す

高脂血症は日頃の生活習慣を見直していくことで、予防・改善できるのだ。まずは何かひとつ、変えてみては?

脂質異常を予防する食事は?

いわし

積極的に摂りたいもの

  • 穀類(米や麦など)
  • 食物繊維(海藻類、豆腐や納豆などの大豆加工品、キノコなど)
  • 緑黄色野菜(にんじん、ピーマン、ブロッコリー、トマトなど)
  • 魚の脂 EPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)はコレステロール値を下げ、中性脂肪を減少させる
  • ジアシルグリセロール(植物油に含まれる成分。普通の食用油に比べて体に脂肪がつきにくい

調理法もひと工夫

  • ゆでる、蒸す、焼くといった方法で、なるべく油を使わない
  • 味付けを薄めにして塩分を摂りすぎないようにする

脂質異常症のタイプ別食事療法のポイント

  • ●トリグリセライド値が高い時…糖質を制限する
  • 砂糖類、菓子類、果物類などやアルコールは制限する
  • ●コレステロール値が高い時…コレステロールの摂取量を抑える
  • 食物繊維を多く摂り、コレステロールの吸収抑制をはかる

脂質異常症の運動のポイント

自分のペースで行える有酸素運動が適している。無理なく気長に続けよう。

  • ●ウォーキング
    歩くことは手軽な全身運動。まずは普段自分が歩いているペースで2~3キロ歩くことから始めよう。次第に慣れてきたらペースを速め、距離を延ばしていく。
  • ●ジョギング
    心肺機能を高める効果も。ウォーキングで体を慣らしてから行うこと。まずは5分くらい走ることを目安に始める。足の筋肉や関節を痛めないように、適したシューズで走ること。
  • ●水泳
    水圧の作用で内臓のはたらきを高める効果も。1分間30~40mのペースで5分間泳ぐことから始める。疲れたら無理せずに休むこと。慣れてきたら、10分、20分と時間を延ばしていく。

ほかにも、なわとび、サイクリング、エアロビクスなどがおすすめ。
激しすぎる運動はかえって危険。頑張り過ぎず、気持ちよく汗ばむ程度で行おう!

薬に頼ってもいい?

血清脂質の値が高すぎる場合、食事や運動療法を続けても効果が現れないなら、薬に頼ることもある。しかし、食事や運動療法も同時に続けないと、薬の効果が十分に発揮されないことも。必ず医師と相談しながら、自分自身で治すという姿勢が大切だと言えるだろう。

生活習慣を見直そう

  • ●まず禁煙!
    喫煙はLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らしてしまう。 また、喫煙によってLDLコレステロールの変性が促進されると、変性したLDLが血管壁のマクロファージ細胞に取り込まれ、動脈硬化を引き起こす原因にもなる。とりあえず、本数を減らすことから始めてみよう。
  • ●アルコールを控えめに
    アルコールを飲みすぎると、肝臓での中性脂肪の合成が促進され、VDLD、LDLコレステロールを増やしてしまい、脂質異常症や動脈硬化の原因に。「アルコール+つまみ=カロリー摂取過剰」で肥満を呼び、さらには脂質異常症へ…。「酒のつきあい」が多い人は、つまみに酢の物を選ぶ、夜12時以降は飲まない、週に3日は休肝日を設ける、などを心がけたい。
  • ●ストレスを溜めない
    食欲をコントロールする機能は脳の視床下部にあるとされる。感情の揺れがあまりに激しいと、 視床下部の食欲調節中枢機能が影響を受けてしまう。そのため、つらい、悲しいという刺激が加わると一層食欲に拍車がかかってしまうという説もある。脂質異常症対策の運動や食事がストレスにならないよう、自分のペースで気長に取り組もう。
公開日:2014年7月7日