1歳以降に受ける予防接種は、はしか、風疹、日本脳炎など。おたふくかぜや水ぼうそうは、現在も幼稚園などでよく流行する病気で、かかると感染防止のため1週間前後休まなくてはいけないことが多いので接種しておくことをおすすめしたい。
かつて身近だった病気の予防接種、受けたほうがいい?
1歳以降に受ける予防接種、かつては子供がかかるのが当たり前だったはしか(麻しん)など、親の世代には身近な病気の接種も登場する。これらの予防接種は受けたほうがいいのか、それとも病気にかかって免疫をつけたほうがいいのか?
この中で自己負担なしで受けられる勧奨接種は、はしか(麻しん)と風疹、日本脳炎。「日本脳炎は昔も予防接種をしてたけど、はしかはなかったよね」と思う方も多いはず。 実は、はしかは合併症として気管支炎や肺炎、脳炎などを起こす重い病気なのだ。現在も年間数十名の子供がはしかで命を落としている。予防接種ができた今、接種を勧めている病気のひとつなのだ。
1歳以降に受ける予防接種の特徴
はしか(麻しん)
- 症状:かぜのような症状、高熱と発疹。肺炎、気管支炎、脳炎、中耳炎を起こしたり、命を落とすこともある。
- 予防接種の種類:生ワクチン
- 副反応:発熱や発疹があることも
接種後5~14日後に発熱や赤い発疹が出ることもある。普通1~2日でなくなるが、気になるときは病院でみてもらおう。100万人に1人程度とごくまれだが、脳炎の発生も報告されている。
- その他:予防接種をしても100%はしかにかからないわけではない。しかし、かかった場合も軽い症状でおさまるケースが多い。
風疹
- 症状:
発熱、発疹、リンパ節の腫れ、のどの痛みなどが主な症状。妊娠初期の女性がかかるとお腹の赤ちゃんに異常が生じる確率が高くなる。
- 予防接種の種類:生ワクチン
- 副反応:心配はほとんどない
4~6%程度に、接種1~2週間後軽い発熱、発疹などが見られることがある。
- その他:
両親に、今後出産したいという希望があるのなら早めに接種することをお勧め。お母さん自身も 風疹の抗体の検査をしてもらい、抗体がない場合は接種を。
日本脳炎
- 症状:
抵抗力の弱い子供やお年よりが発症することが多い。高熱、頭痛、嘔吐、下痢、意識障害などの症状があり、命を落としたり後遺症が残るケースがある。
- 予防接種の種類:不活化ワクチン
- 副反応:心配することはほとんどない
2日以内に37.5度の発熱や注射をした部分が赤くなったりすることがまれにある程度。
- その他:
東南アジアなどに子供とともに行く場合は、3歳前でも接種したほうがいい場合も。かかりつけの医師に相談してみよう。
おたふくかぜ
- 症状:
耳やあごの下にある唾液が出る腺が腫れ、熱が出る。髄膜炎を起こすこともある。
- 予防接種の種類:生ワクチン
- 副反応:発熱や耳の下などの腫れがあることも
接種2~3週間後、2~3%の割合で発熱や耳の下の腫れや痛みがあることが。また、数千人に1人の割合で無菌性の髄膜炎が起こることもある。
- その他:
一時、MMRというおたふくかぜワクチンが原因で、無菌性髄膜炎の発生率が高いという問題が起こった。現在は改良されたワクチンが使われ副反応の発生もごくまれになっている。
水ぼうそう
- 症状:
発熱と赤い発疹が特徴。発疹は水ぶくれからかさぶたになる。
- 予防接種の種類:生ワクチン
- 副反応:心配はほとんどない
ごくまれに発熱や発疹が出る程度。
- その他:
毒性の弱いワクチンのため、予防接種をしても約15%くらいの子が自然感染している。しかし、症状は軽くすむ。
あるおたふくかぜや水ぼうそうは、現在も幼稚園などでよく流行する病気。病気にかかると感染防止のため1週間前後休まなくてはいけないことが多い。このため、共働きで保育園に子供を預けるのであれば、ほかの子に迷惑をかけないためにも接種しておくことをおすすめしたい。
1歳以降の予防接種スケジュール
1歳以降に受ける予防接種はほとんどが1回接種である。したがって、0歳代に比べれば予防接種のスケジューリングは楽。生ワクチンがほとんどなので、接種と接種の間は4週間以上開けることを心がけるようにしよう。
このほか1歳代には、0歳に接種したDPTの後期の接種がある。忘れないように、あらかじめカレンダーなどに書きこんでおくことが大切だ。