疾患・特集

音楽での癒し方

音楽で癒されるには?ただ聴くだけだと思ったら大間違い。どんな音楽を選べばいいの?また、聴き方にもコツがあるんです。

「同質の原理」からスタート

せっかくハイテンションで楽しんでいるときに、テンポの遅い曲を聴くと調子が狂ってしまうのとおなじように、気持ちが落ちこんでいる時に、元気のいい曲を聴くとかえってストレスになることもある。

まずは、自分の気持ちと同質の音楽を聴いて、気持ちを代弁してもらうことが音楽療法では大切だ。これを、「同質の原理」(アルトシューラーの理論)と呼んでいる。失恋した時に中島みゆきの曲を聞く人が多いのは、まさに同質の原理である。

どんな音楽を選べばいいの?

同質の原理によって、こころの内側にぐっと秘めていたことが外に出たら、次は気持ちを落ちつかせる音楽、そして気持ちを向上させる音楽へと段階をへて聴くのが望ましい。
選曲はクラシック音楽に限る必要はないが、いくら好きでもハードロックやヘビメタよりは、クラシックのほうが1/fゆらぎをバランスよく持っている曲が多いため、初心者はクラシック音楽を聴いてみるのがおすすめだ。

それでも、「何を聴いたらいいの?」とお困りの方は、癒し系専門の音楽CD(自然界の音を集めたものや、α波といったキーワードが使われているもの)も数多く出まわっているため、それらを選んで聴いてみよう。

  • ●自分の気持ちと同じような曲を選ぶ
  • ●こころを落ちつかせる曲を選ぶ
  • ●ちょっとアップテンポな、前向きになる曲を選ぶ

聴くばかりが音楽療法ではない

音楽療法とは、音楽を聴くばかりではなく、「演奏する」「唱歌する」なども含まれる。若者がカラオケボックスで思いっきり歌うのも一種の音楽療法である。実際、音楽療法士による治療では、幼児から老人まで幅広い年齢層に対し、楽器をつかってグループセッションしたり、歌を歌って体を動かすなどの方法が積極的に取り入れられている。

また、音楽による効果はヒーリングだけではない。それまであまりしゃべらなかった人が、周りの人が歌っているのを聴いて、鼻歌交じりに歌い始め、それをきっかけに会話するようになったなど、言葉の代わりのコミュニケーション手段としてもおおいに活躍しているのである。

公開日:2001年4月9日