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がんを予防する食生活のコツ

食生活に気をつければがんの予防もできるといわれています。がんを防ぐ食生活の工夫をまとめました。

まずは、栄養バランスを心がけて

最近、日本人に増えている大腸がん、乳がん。この原因は肉中心の食生活や 食物繊維不足など、日本人の食生活の変化にあるといわれています。がんを防ぐためにはまず、栄養バランスのとれた規則正しい食事を心がけましょう。具体的に注意したいポイントをご紹介します。

■食べ過ぎない

カロリーの摂りすぎ+運動不足は肥満のもとです。肥満は、がんを始め動脈硬化や糖尿病などの発生率を高めてしまいます。1日のカロリー摂取量は成人男性で2500kcalといわれるが、特に体を動かすような仕事をしていない人なら2,200kcal、現在肥満気味の人は1,800~2,000kcalくらいを目安にしましょう。

■栄養バランスのとれた変化のある食事

一般的に、がんの原因は高脂肪摂取、がんを防ぐのは野菜類といわれています。多くのサラリーマンの食生活の現状と理想とはまったく逆のパターンとなります。
事務職の男性の場合、1日のたんぱく質摂取の目安は、乳製品250g、たまご1個、肉や魚が120g、豆製品80gとなります。一方、野菜類は1日最低、淡色野菜200g、緑黄色野菜100g、芋類100g、果物200gは摂るようにしましょう。
また、毎日肉類ではなく、週3~4回は魚のメニューにするなど献立に変化をつけることも大切です。

■塩分の摂りすぎに注意

胃がんの原因のひとつが塩分の取りすぎといわれています。1日6gくらいが限度だと考えましょう。食卓で塩やしょうゆを使用しない、香辛料を利用して香りを楽しむなど減塩の工夫をするようにしましょう。

■1日3食・規則正しく

不規則な食生活は胃がんの原因のひとつとなります。夕食が深夜になったり、朝食を抜いたりといった食生活はがんだけでなく、ほかの生活習慣病のもとにもなります。また、朝は軽く夜は重くといったカロリーバランスも考えものです。忙しくて夕食時間が遅くなる人は、こういった3食のバランスも見直してみましょう。

ビタミン、食物繊維はがん予防にもいい

野菜や海藻、果物に含まれるビタミン類や食物繊維は、がんの予防にも活躍する栄養素です。最近は錠剤や飲み物なども出回っていますが、例えばビタミンAなどは、摂りすぎると髪の毛が抜けたり食欲不振になったりなど、過剰症を起こすこともあります。なるべく普段の食生活で摂るようにしましょう。

がんの予防にいい食品の例

種類 多く含む食品
ビタミンA(カロテン) のり類、わかめ、しその葉、パセリ、にんじん、小松菜やほうれん草など青菜類、かぼちゃ
ビタミンC えだまめ、さやえんどう、青菜類、ししとうがらし、カリフラワー、パセリ、キャベツ、 トマト、にがうり、ピーマン、ブロッコリー、キーウイフルーツ、かんきつ類
ビタミンE 小麦胚芽、植物油(ひまわり油、サフラワー油、綿実油、やし油など)、種実類(アーモンドなど)
食物繊維 ひじき、干しがき、いんげん豆、大豆(納豆)、おから、切り干し大根、ごぼう、おくら、干ししいたけ、ポップコーン

熱いもの、焦げたものは避けるようにしよう

食物を調理したときの焦げには、がんの原因になる物質が含まれています。また、熱過ぎるものは、食道がんや胃がんの原因のひとつと考えられています。
このほか、トウモロコシやナッツ類に生えるカビなど発がん性の高いケースもあります。古くなった食品は避けるようにしましょう。