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旅行に役立つ海外水事情

海外旅行で気になるのが、現地の「水」。楽しい旅にするためにも、ちょっと気をつければ、水によるトラブルを避けることができます。そのポイントをご紹介します。

海外の水について

長期の休みとなれば、海外に旅行に行く人も多いかもしれません。海外へ行く際に気になるのが「水」のこと。
ここでは、ちょっと役立つかもしれない「海外の水について」ご紹介します。さらに、自分の渡航先については、最新のガイドブックに目を通す、その国の観光協会に問い合わせるなど、きちんと自分で調べておきましょう。何より怖いのは、情報不足・認識不足です。

●旅の基本!生水は飲まない

最近のリゾート地や大都市では、水道の設備は整い、水質も悪くないことが多いようですが、楽しい旅にするなら、やはり生水は避けた方が無難です。水を飲む場合は、ミネラルウォーターやボイルドウォーターを注文するといいでしょう

  • 水道管などが古いことがある
  • 軟質の水に慣れた日本人は、海外の硬質の水で、下痢をおこすことがある
  • 病原菌や肝炎ウイルスに汚染されることがある
  • 地方では、井戸水や溜め水のところも多いので、特に注意が必要!

●意外な落とし穴「氷」

氷は生水から作られることが多いので、なるべく食べないようにしましょう。ウイスキーなどのアルコールと一緒でも、残念ながら消毒効果はありません。

●生ジュースだからといって安心できない…

果汁100%ではなく、水・氷が入っている可能性もあります。タイ名物の水上マーケットでは、川の水で食器や包丁を洗うため、このジュースで赤痢に感染した人がいるそうです。

●生野菜・果物も注意

丸ごと買ってきて、自分でむいて食べるなら心配ありませんが、切り売りされているものは避けた方が無難です。育てた土壌の汚染、虫がたかっているなどのほかにも、生水につかっていたりすることもあるためです。

●危険な「水遊び」

川によっては、破傷風や様々な寄生虫の危険もあります。河川や湖沼での水遊びには、注意が必要です。旅行前に調べて、その可能性があるようなら、水へ入らないだけでなく、川べりで裸足にはならないようにしましょう。

もし海外の水で体調がおかしくなったら?

一番大切なのは「あきらめ」と冷静な対応です。なまじ旅行中は、あれもこれもと欲張りになります。旅行者がお腹をこわす最大の原因は、実は「食べ過ぎ」と言われているくらいです。体調が悪くなったら、欲望はあきらめて、冷静に病院へ行くなどの対応をとりましょう。

●自分で勝手に判断しない

すぐに持参した薬を飲んでおけば大丈夫といった素人療法は避け、速やかに現地の信頼のおける病院で診察を受けましょう。そのためには、日本語が通じる医師や、確かな病院の情報を事前にチェック!

●抗生物質を飲んだら安心ではない!

特に東南アジアなどの場合、不調の原因を勝手に細菌と決めつけやすいようです。そこで持参した抗生物質を乱用すると、逆に病状を悪化させることがあります。

●帰国したら、検疫を

滞在先で下痢、腹痛、発熱などがあったら、面倒がらずに検疫の健康相談室で相談しましょう。自分で大丈夫と思っていても、家族や会社の人に赤痢やコレラを感染させてしまう可能性もあります。