「水道の水なんて、マズくて飲めない」という人もいるかもしれませんが、日本の水道水は世界の中でも安全でおいしい方といえます。おいしくない原因となっているのが消毒用の塩素です。これを取り除けば、水道水もおいしく飲めます。
日本は蛇口をひねれば水が飲める、世界でも数少ない「安全な水」の国です。水源の良いところでは、味も最高です。一方、世界の大都市の8割では水道水は飲めないと言われています。問題は、東京などの水道水がおいしくないこと…。
水道水がおいしくない最大の原因は「消毒用の塩素」にあります。水源の良いところの水は、消毒する必要が少ない=塩素が少ないためにおいしく、つまり、この「塩素」をなんとかすれば、水道水もおいしく飲めるのです。
まず基本の条件として、朝一番あるいは長い間使ってなかった後の水道水は、サビや有害物質がたまっている恐れがあります。もったいありませんが、しばらく流してから使いましょう。
水をマズくする塩素ですが、決して闇雲に使われているわけではありません。安全基準を満たす分だけ使われています。
日本の水道は、国が定めた「安全基準」に基づいた水道水を供給するよう義務づけられています。そして、水道局ごとに定期的に水質検査が行われ、結果が公表されています。
次のような項目については、基準値、目標値、指針値がそれぞれ示されているので、おいしくて安全な水を飲むためにも、一度確認してみましょう。次の表の物質の濃度が高いようなら、何に汚染されているのか、大体のところをつかむことができそうです。
具体的な項目の例 | 濃度が高いときは | |
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健康に関する項目 (全29項目) |
一般細菌 | 消毒滅菌が不十分 |
水銀・シアン・フッ素 | 水道水中に産業廃水が混入している恐れがある | |
硝酸製窒素・亜硝酸性窒素 | 動物の糞尿や下水の混入の可能性が大きい | |
水道水が有すべき性状に関連する項目 (全17項目) |
陰イオン界面活性剤 | 家庭用廃水や工場廃水による汚染が推測される |