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健康に効く!お茶の選び方・入れ方

毎日、何気なく飲んでいるお茶。あなたの入れ方は、お茶のおいしさをしっかり引き出しているでしょうか。お茶の入れ方の基本を知っておきましょう。また、タイプ別に飲みたいお茶の種類、お茶で炊いたごはんやお粥のレシピもご紹介します。

おいしいお茶はこうして入れる

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せっかく薬効の高い日本茶も、いい加減に入れては台無しです。おいしく健康効果を引き出すなら、お茶の正しい入れ方の基本を知っておきましょう。

  • やかんでお湯を沸騰させます。
  • 急須や茶わんに、熱湯を入れて温めます。
  • 熱湯を戻した後、急須にお茶の葉を(2~3g・小さじ1杯程度)入れます。
  • そっとお湯を注ぎます。
    ★熱湯でいいもの:番茶、ほうじ茶、玄米茶、釜入り茶、茎茶、粉茶
    ★冷ました湯がいいもの:玉露(50度くらい) ・上級煎茶、芽茶(70度くらい) ・普通煎茶、深蒸し茶(90度くらい)
  • お茶が浸出するのを待ってから、そっと茶わんに注ぎます。
    ★約3分:玉露・番茶・ほうじ茶・玄米茶・茎茶
    ★約2分:上級煎茶・芽茶・粉茶
    ★約1分:普通煎茶・深蒸し茶・釜入り茶
  • 二煎めは、一煎めより熱いお湯(それぞれ10~20度くらい)を注ぎ、30~40秒ほど待ちます。

タイプ別「お茶」の種類と入れ方

「生活習慣病」を予防したい

■選びたいお茶

  • 煎茶と番茶
    動脈硬化(高脂血症)、糖尿病、がんなどを防ぐはたらきがあると言われるカテキンを最も多く含みます。
  • ギャバロン茶
    高血圧予防に、血圧降下作用があるγ-アミノ酪酸が多くなるように加工してあります。

■お茶の入れ方

上級煎茶の本来の旨みを味わうなら、一煎めは60度くらいのお湯で2分ほど待つのが理想です。
ただ、この入れ方で浸出するカテキンの量は12.2%。二煎めは90度くらいの熱湯で入れることが多いのですが、これで41.6%のカテキンが浸出します。つまり、健康を考えて煎茶を飲むなら二煎めまでしっかり飲むことをおすすめします。
番茶の場合は、一煎めから熱湯で2分間くらいがおいしい入れ方と言われますが、このとき浸出するカテキンは一煎めで41.6%、二煎め38.7%。てっとり早くカテキンを得るためには、番茶のような入れ方をするといいようです。
夏場にちょうどいい冷水で入れる方法では、30分浸出でカテキン18.9%、一晩では36.7%となり、長時間浸出するほうが良いようです。ただし、どの季節でも冷水で入れるのであれば、「衛生的でよく冷えた水を使う」「冷蔵庫での保冷」が原則です。

「酔い」の改善、「ビタミンC補給」をしたい

■選びたいお茶

  • 玉露や煎茶
    酔い防止に効く「カフェイン」、喫煙者に必要不可欠な「ビタミンC」を多く含むのが、こうした高級茶です。

■お茶の入れ方

カフェインもカテキンと同様、90度くらいのお湯で入れた方がよく浸出します。
ただし、一煎めでほとんど出てしまうようです。ビタミンCも一煎めでほとんど出てしまいます。
なお一晩、水で出した煎茶はカフェインも40%くらい浸出しているため、二日酔いには最適かもしれません。

「虫歯」を予防したい

■選びたいお茶

  • 番茶
    虫歯予防に効く「フッ素」は、遅い季節(8月ごろ)に摘まれた番茶に多く含まれています。

■お茶の入れ方

番茶は一煎めから90度くらいの熱湯で入れるとおいしいです。

お料理でも使いたい「お茶」の栄養

お米とお茶は、味も栄養も仲良しです!でも、お茶漬けだけではワンパターンですよね。簡単にできて家族にちょっと驚かれる、お茶で炊いたごはんやお粥はいかがでしょうか? ちょっと変わった風味が欲しいときに、ぜひお試しください。
※分量は4人分です。

茶飯

季節を感じる茶飯は、新茶が出る時期にぜひどうぞ!梅干しや佃煮などにもよく合います。

■作り方

  • 米2合をといで、いったんザルに上げて水気を切ります。
  • 煎茶大さじ1杯にお湯300mlで煎茶液をとります。
  • 炊飯器に米と、水210ml、煎茶液210mlを加え、塩小さじ1弱を加えて普通に炊きます。
  • 煎茶の葉、少量を細かくすっておきます。
  • 米が炊き上がったら、茶わんに盛って4のすった茶葉を散らして食卓に出します。

茶粥

■作り方

  • 米1合をといで、ザルに上げて水気を切った後、水に1時間くらい浸けておきます。
  • 米と水8カップを鍋に入れ、布袋に入れた番茶大さじ2を加えて火にかけます。
  • 沸騰したら弱火にし、10分後に茶の入った布袋を取り出します。
  • 40分くらい吹きこぼれないように静かに炊きます。
  • 塩小さじ1/2で味付けして火を止めます。

玄米茶の炊き込みごはん

■作り方

  • 米2合をといで、ザルに上げて水気を切ります。
  • 玄米茶液を2カップ作り、冷ましておきます。
  • 米に冷めた玄米茶液を加えておきます。
  • 小鍋に鶏ひき肉と塩小さじ1/2、みりん大さじ1/2、酒大さじ2を入れ、炒りつけます。
  • 34を混ぜて普通に炊きます。
  • 最後に三つ葉やあさつきなどを少量飾って、彩りをよくします。

いつもの味付けのアクセントに「お茶」

煎茶をよくすって粉末状にしたものを、スパイスのように使うと、食べ慣れた料理も風味が変わって新鮮な味になります。最近では茶葉を粉末にする器具も売っているので、ぜひ活用して、色々なものにかけたり・加えたりすると、味と栄養バリエーションがぐっと豊かになります。

  • ●オムレツに
    たまご4個に牛乳50ml、粉末状の煎茶1g(小さじ1/2)、塩・こしょうを混ぜます。好みで玉ねぎとひき肉を炒めたもの、ゆでたほうれん草とハム(小さく切ったもの)、チーズとトマトなどの具を混ぜ、ふっくらと焼き上げます。
  • ●ふろふき大根などにかける練り味噌に
    赤みそ80g、砂糖40g、みりんと酒大さじ1を合わせてだし汁大さじ4でのばし、中火にかけて練り上げます。煎茶粉末1g(小さじ1/2)をでき上がった練り味噌に加えて混ぜます。