疾患・特集

日本茶は百薬の長

日ごろ何気なく飲んでいるお茶。現在はコーヒーなどと同様、嗜好品として考えられているようですが、もともとは薬として飲まれていました。お茶の健康パワーをまとめました。

健康長寿を願うなら、まず「お茶」!

日本茶

あなた自身も知らないうちに、毎日ちょっとした食習慣や運動不足が原因で、ある日突然やってくるのが「生活習慣病」(がん、心疾患、脳血管疾患など)です。いまや、日本人の死因の多くを占めています。

その予防に役立ってくれるのがお茶です。

動脈硬化

動脈硬化とは、動脈の血管の壁に、コレステロールや老廃物が入り込んで、血管が狭く・かたくなってしまう状態のことです。
悪化すると、心臓への血流(冠動脈)がつまる=「心筋梗塞」「狭心症」など、脳内の動脈がつまる=「脳卒中」「脳血管疾患」などになります。
原因としては、血液中の中性脂肪やコレステロールなどの量が多くなるためなどが挙げられます。

  • ●お茶パワー!
    お茶の渋味のもととなる「カテキン」には、このコレステロールや中性脂肪を減らすはたらきがあると言われています。
    また、このほかの成分にも血栓形成抑制作用(フラボノール)、血圧降下作用(γ-アミノ酪酸)、 強心作用(カフェイン)など、血管を強く保つはたらきがあります。

高血圧予防

  • ●お茶パワー!
    お茶に含まれる「γ-アミノ酪酸」は、脳内の神経化学伝達物質のひとつですが、このアミノ酸には血圧降下作用もあるという研究が発表され、注目されるようになりました。
  • ●特に予防したい人には…
    現在では、γ-アミノ酪酸を多く含むお茶、「ギャバロン茶」も販売されています。

糖尿病

  • ●お茶パワー!
    お茶に含まれる「ポリサッカライド」という成分には、血糖値を下げるはたらきがあると言われています。
  • ●特に予防したい人には…
    この成分が最も多く含まれているのは、秋摘みの「番茶」だそうです。

お茶の薬効成分

現代は嗜好品となっているお茶は、もともと「薬」として飲まれていました。
そんなお茶には、上記のような成分とはたらきのほかにも、次のような成分が含まれています。

日本茶の機能性成分一覧

物質名 含量(乾物中) 効能
カテキン 15~20% 抗酸化性、抗がん性、抗菌性、コレステロールのバランス調整、動脈硬化抑制、脂肪吸収抑制など
フラボノール 600~700mg/100g 血栓形成抑制、白内障抑制、がん細胞増殖抑制、消臭作用
カフェイン 2~4% 覚醒作用、大脳刺激作用、利尿作用
サポニン 0.1~0.5% 去痰作用、消炎作用
γアミノ酪酸 100~200mg/100g 血圧降下作用、脳代謝促進作用
ビタミンC 250~600mg/100g 抗壊血病性
ビタミンE 25~70mg/100g 抗酸化作用、コレステロールバランス調整、動脈硬化抑制
フッ素 1000~1800ppm(古葉) 虫歯予防
亜鉛 30~75ppm 幼児の発育促進、味覚機能向上

出典:農林水産省野菜・茶業試験場茶利用加工部の資料