疾患・特集

血液も「太る」ってホント?隠れ肥満が増加する日本人

一昔前より確実に肥満化している日本人。実は見た目は痩せているのに体の内部は中性脂肪やコレステロールが増加している「隠れ肥満」や「血液太り」が増加しています。症状がでにくく無自覚に進行するため、放っておくと動脈硬化につながってしまうことも。

日本人は確実に「肥満」化してる?

かくれ肥満が増加中

ひと昔前の日本人は、もっと「しまった」体をしていた人が多かったのですが、最近の日本人の体脂肪は増えてきています。「見た目」からして肥満の人と同時に、本人も気づかない「かくれ肥満」が増加しています。脂肪細胞の中だけでなく、血液中の脂肪が多くなっているようです。健康のことを考えると、こうした脂肪の増え方は、かなり危険。グラフのように、すべての年代で増えているが、特に若い層が心配されます。

中性脂肪がどこにたまるか?2パターンの「かくれ肥満」

脂肪細胞では…皮下脂肪より内臓脂肪として中性脂肪がたまってしまっている
血液の中では…血中脂肪として中性脂肪・コレステロールが多く溶けてたまっている

血液が「太って」いると、なぜだめなの?

パンツやスカートがきつくなったり、顔がふっくらしてこないと、人はなかなか「やせなくちゃ!」と思いません。しかし、血中脂肪は単なるスタイルの問題ではありません。命にかかわり、生活の質も下げてしまいます。若くして糖尿病や高血圧などの生活習慣病におちいるのも、こうした「かくれ肥満」などが原因となっているようです。

無自覚に進行する「隠れ肥満」

血液の中に脂肪が増えていても、「かくれ肥満」の場合、なかなか自分では気がつけません。自覚症状がないからです。また、検査などで分かった場合でも、見かけからして肥満でない場合は、特に対策をとらないでいることも多いようです。

血液太りをそのままにすると動脈硬化に

無自覚に進んだ血液太りが続くと、たまった脂肪は血管を狭くして、動脈硬化を引き起こします。そのため、心筋梗塞、心不全、狭心症、不整脈、脳血管疾患、クモ膜下出血、高脂血症、高血圧におちいりやすくなります。
また糖尿病、腎臓病、肝臓病、胆症、痛風などの生活習慣病の発病にもつながります。がんなどとの関係も考えられています。