疾患・特集

高コレステロール+喫煙者は死病にかかる可能性が高い

この答えはYES。高コレステロールと深い関係がある動脈硬化。喫煙などによってさらに動脈硬化を進め、最終的には命にかかわる病気にかかってしまう可能性があります。

動脈硬化の先には、こんな病気が待っている

動脈硬化も最初のうちは特に自覚症状がありません。しかし、そのまま放っておくとどんどん進み、ある日突然発作を起こして倒れてしまうことも多いようです。動脈硬化が原因となる深刻な疾患を紹介しましょう。

虚血性心疾患

心臓を動かす筋肉(心筋)に血液を送る動脈(冠状動脈)が、動脈硬化を起こした状態のことです。

  • ●狭心症
    冠状動脈の血流が悪くなり、心筋に十分血液が供給されなくなるのが原因です。運動や仕事中に強い胸の痛みを感じるなどの発作が起こることが多く、死亡するのはまれのようです。
  • ●心筋梗塞
    冠状動脈がふさがって心筋に血液が送れなくなり、心筋の一部が壊死します。寝ているときなどに突然、強い胸の痛みに襲われます。死亡するケースも多いです。

危険信号は、運動や興奮したりすると、心臓や上復部あたりが重苦しくなること。前胸部が痛むこともあります。

脳血管障害

脳内の動脈が動脈硬化を起こした状態です。このために脳に血液が送られなくなると、体のマヒ、失語などの後遺症が残ることが多いようです。このような症状を総称して「脳卒中」といいます。

  • ●脳出血
    脳の動脈の一部が破れて脳の中に血腫ができます。活動中に急に頭痛や倒れるなどの発作が起きます。半身マヒ、昏睡に陥ることもあります。脳卒中の中でも死亡率が高いようです。高血圧のある人に起こりやすいようです。
  • ●脳梗塞
    脳の動脈が詰まり、一部に壊死が起こる状態です。脳血栓と脳塞栓に分けられます。脳血栓は一過性の頭痛やめまいなどが繰り返され徐々に症状が重くなります。高脂血症、糖尿病、高血圧の人に多いと言われています。逆に、脳塞栓は急に発作が起こり、虚血性心疾患などが原因になることがあります。

危険信号としては、物忘れが増える、ぼんやりする、感情の起伏が激しくなる、頭痛やめまい、足のしびれ感がある、話そうとすると舌がもつれることが多いなどが挙げられます。

上記で紹介したのは、コレステロール値の高い人がかかる可能性の高い疾患です。このほか動脈硬化が原因で起こる病気には、腎疾患(腎硬化症など)、末梢動脈の動脈硬化、目の動脈硬化(眼底出血)などがあります。

動脈硬化を進める主な要因

動脈硬化を進める条件は、高コレステロールだけではありません。実際には次の表の諸条件がそれぞれ影響しあっています。思い当たることが多い人は要注意です。できるところから少しずつ改善していきましょう。
なお、思い当たることが多いものの、ここしばらく検査を受けていない場合は、まずは健康診断や血液検査を受けることをおすすめします。

動脈硬化を進める主な要因

高血圧 動脈の内壁に常に高い圧力がかかるため、内壁が損傷されやすいです。特に脳や腎臓の動脈硬化が多くなります。
高脂血症 LDL(悪玉コレステロール)が多い高コレステロール血症は、動脈の内壁にコレステロールが染み込みやすく、アテローム硬化(粥状動脈硬化)を促進します。特に狭心症や心筋梗塞などを起こしやすいです。
糖尿病 糖尿病の人は、中性脂肪や総コレステロール値の高い人が多いです。また、HDL(善玉コレステロール)が低くなる傾向もあります。
喫煙 1日1箱以上たばこを吸う人は、狭心症や心筋梗塞になる確率が吸わない人の約2倍という調査結果があります。たばこのニコチンは血液の粘性を高め、動脈壁内の中膜を傷つける作用があるためです。
肥満 肥満度が高くなると、LDL(悪玉コレステロール)が増えてHDL(善玉コレステロール)が減るといわれています。
ストレス ストレスが増えると血液中のコレステロールが増えてしまいます。また、高血圧や糖尿病なども 誘発しやすいようです。
運動不足 運動不足が続くと、血液中の中性脂肪やコレステロールが増えてしまいます。
甘い物または飲酒 大量の飲酒は中性脂肪を増やし、脳卒中の危険性が高まってしまいます。また、甘い物の摂り過ぎも中性脂肪を増やしてしまいます。