この答えはNO。10%でも「多い」と感じますがそれどころではありません。30歳以上の男性の約29%、女性の約34%が高コレステロールではないかと思わせるデータが存在します。ここではコレステロールに関する検査と、高コレステロールになりやすい生活について紹介します。
高コレステロールは、動脈硬化や心筋梗塞など致命的な病気の原因になる深刻な事態ですが、それだけでは自覚症状もなく、日常生活に差し支えはありません。このため、高コレステロールかどうかは、主に血液検査によって診断されます。
血液検査の結果による診断と治療方法は以下のとおりです。ただし、これはあくまでも目安なので、数値にまどわされず、専門家の指導に従ってください。
総コレステロール | 基準値(220mg/dl)以上の人 | 基準値付近の人 | 基準値未満の人 |
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中性脂肪値 | 基準値(150mg/dl)以上の人 | 基準値付近の人 | 基準値未満の人 |
HDLコレステロール | 基準値(40mg/dl)未満の人 | 基準値付近の人 | 基準値未満の人 |
脂質異常症の危険は? | 脂質異常症の疑いあり。さらに詳しい検査で、動脈硬化などの危険性を調べます ・12時間絶食した上での血液検査により、LDLコレステロール値を算出することもあります ・医師による問診(自分や家族がこれまで動脈硬化などにかかったことがあるかなど) |
血液中の脂肪の量は正常値 | |
その他の病気の危険は? | 動脈硬化などの危険性が高い、または糖尿病などほかの病気にかかっています。 | 動脈硬化などの差し迫った危険はありません。 | ここで油断せず、脂肪のたまらない生活を送るようにしましょう。 |
治療方法 | 食事療法と並行して薬物療法などを行います。運動療法は禁止されるケースが多いようです。 | まず、食事療法と運動療法を指導されることが多いようです。ストレスを避ける、禁煙など生活指導も行われます。3ヵ月後ぐらいに再検査し、変化がない場合、薬物療法を提案されることが多いようです。 |
通常の検査では、LDL(悪玉コレステロール)値まで出さないことが多いのですが、次の計算式で求めることができます。
LDL(悪玉コレステロール)コレステロール値
=総コレステロール値-HDL(善玉コレステロール)コレステロール値-0.2×中性脂肪値(中性脂肪値が400mg/dl以下)
LDL(悪玉コレステロール)の値が140mg以上の場合は「高コレステロール血症」と診断されます。
「脂質異常症」とは、LDLコレステロール値や中性脂肪値が基準より高い、もしくはHDLコレステロール値が低い状態を総称したものです。コレステロール値が高い「高コレステロール血症」は、脂質異常症の一形態です。脂質異常症にはこのほか、HDL(善玉コレステロール)値が低いタイプや中性脂肪値だけが高いタイプなどがあります。
1~2年に1度血液検査を受けることは大切ですが、総コレステロール220mg/dl未満だからと言って、安心ばかりはしていられません。「高コレステロール血症」の診断基準は、これを超えると動脈硬化などになる確率が高くなるというデータをベースに決められたものです。国によっては200mg/dl以上を診断基準にしているところもあるくらいなのです。したがって、検査の数字に一喜一憂するだけでなく、日ごろからコレステロールをためない生活をするように心がけるのが一番となります。
また、高コレステロールもなりやすい人となりにくい人がいます。次のチェックであてはまるものがある場合は要注意です。