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自然のおいしさ再発見!減塩のコツ

高血圧の予防・改善の食事で、まず取り組みたいのは、食塩を減らすことです。減塩の食事を続けていると、最初のうちは味気なくても、次第に味・うまみを感じられるようになります。今回は役に立つ減塩のコツをご紹介します。

「塩味ばっかり」から「豊かな味覚」へ

高血圧の予防・改善の食事で、まず取り組みたいのは、食塩を減らすことです。日本人は「塩食い人種」と言われるほど、しょっぱいもの好き。塩気がないと「まずい」気がしてしまう人も多いようです。

しかし、実際に減塩の食事に成功した人の話では「最初は味気ない気がしたが、慣れると素材が本来持っている味・うまみがわかるようになった」と言います。

さらに食品の栄養バランスを考え、色々なものを食べるようになったり、多彩な調味料を使うようになり、「味」の豊かさはむしろ広く深くなっていくものなのです。

役立つ!減塩のコツ

  • ●和食の時は、しょうゆか味噌味で
    しょうゆや味噌には塩以外の風味があり、同じ塩分でも食塩だけの時よりおいしく感じることができます。注意したいのは「薄口しょうゆ」です。減塩ではなく「薄口」との表示があるものは、塩分量はむしろ「濃口」より多いこともあります。
  • ●酸味を活用!
    レモンやゆず、すだち、お酢などの酸味を使って味を整えます。これらを使えば食塩を含まずに、サッパリと「オトナ」の味となります。
  • ●素材が勝負!
    新鮮な素材を食べましょう。素材が新鮮ならば、そのものに十分な「味」があり、調味料が少なくてもおいしいものです。新鮮な刺身などはベッタリしょうゆをつけてしまっては、むしろ「もったいない」かも。
  • ●温度が味をつくる
    暖かいものは暖かいうちに、冷たいものは冷たいまま、食べ物が一番引き立つ温度で食べるようにします。暖かいものが冷めると舌に感じる味が少なくなるため、さらにしょうゆや塩をかけたくなるものです。
  • ●しょうゆやソースは小皿にとって
    しょうゆやソースなどを使う場合、食べ物に直接かけると、どうしても量が多くなってしまいます。一度小皿にとって、そこにつけるようにすると塩分を抑えられます。
  • ●減塩の調味料を使う
    最近はしょうゆだけでなく、味噌やソースなどにも「減塩」の調味料が増えているので、積極的に活用してみてはどうでしょうか?
  • ●味噌汁はだしをきかせて、具だくさんに!
    だし汁を濃いめに使うと、それで「うまみ」を感じるため味噌は少なめに使いましょう。具はたくさんにし「汁」をあまり飲まないようにします。洋風のスープも同様です。
  • ●「こく」のある味わい
    ゴマ、くるみ、のりなど、風味と「こく」のあるもので味をつけます。栄養的にも体に良いです。調理方法でも、少しこげめをつけて香ばしくすると満足できる味になります。
  • ●香辛料の達人に
    「香り」が味をより引き立てるので、塩気がなくても、とてもおいしく感じます。またハーブなどは、ヨーロッパでは薬として使われるほど、色々な効果があります。鉢で育ててみるのも楽しいかも。
  • ●塩分は一点集中!
    一品に重点的に塩分を使い、ほかのおかずは無塩食にします。コレでも満足感が得られます。
  • ●外食より内食
    焼き肉、お寿司など外食の定番ものも、家で減塩にして作ってみます。外で食べる酢飯や、焼き肉のたれなどは、かなりの食塩が含まれています。家で作れば「高血圧に悪いから」と我慢しないでも、それらをおいしく食べることができます。
  • ●外食の時は定食派に
    定食は、栄養のバランスもとりやすく、工夫しだいで減塩にもなります。刺身はワサビをきかせて、しょうゆを減らします。焼き魚には、しょうゆをかけないようにします。フライもなるべくソースをかけず、カラシやレモンで。味噌汁の汁は残すことなどができます。丼などの1品ものは、すべて食べてしまうため、どうしても塩分の調節がしにくくなります。
  • ●「表味」テクニック!
    味覚は舌にのせた瞬間で大きく左右されます。そこで表面にだけ塩味をきかせる「表味」のテクニックを使いましょう。炒め物や焼き物は、調理の最後に塩や調味料を加えます。煮物は、まず「だし」でしっかり煮込み味をつけてから、最後の仕上げに塩やしょうゆを加え、表面に味をつけるようにします。
  • ●漬物は盛り鉢で出さない
    漬物は本来、高血圧の人にはおすすめできません。しかし自家製の減塩に努めた漬物なら、たまには食べたいもの。その時、盛り鉢で出してしまうと、ついつい食べすぎてしまうので、小皿にとって食べるようにします。自家製漬物は、酸味を足して上手に減塩しましょう。