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レントゲン検査とは?レントゲン検査の結果からわかること

レントゲン検査は身近な画像検査として、肺の病気のほか、心臓肥大、大動脈瘤、甲状腺の異常なども見つけることができます。レントゲン写真は手軽ですが、その一方で精密さに欠けます。多少でも陰影があった人はできるだけ早く精密検査を受けましょう。肺がん予防のためのチェックポイントも紹介します。

レントゲンの検査で何を調べるの?

X線検査

俗に言うレントゲンとは、X線検査のことを差し、手軽で身近な画像検査として、いくつかの病気が疑われるときに、その原因のふるいわけなどに用いられます。
X線は、骨や心臓などは通過しにくく肺などは通過しやすいため、通過した後のX線をフィルムにあて感光させると、骨や心臓は白く、肺は黒く映るなどしてその形がよく判ります。肺がん、肺結核、肺炎、気管支炎、肺気腫など肺の病気のほか、心臓肥大、大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)、甲状腺の異常なども見つかります。

レントゲンでもあの手この手

レントゲンというと、胸のあたりをただ映す、ちょっと古くさいものというイメージではないでしょうか?
しかし体にかける負担が比較的少なく、手軽に見られるというメリットを生かし、最近ではさまざまな方法で活用されています。

●X線断層撮影

通常のレントゲンが体に水平な映像であるのに対し、横切り(断面)の映像を撮るもの。胸部でよく利用されます。

●X線造影撮影

上部消化管造影 食道・胃・十二指腸などに硫酸バリウムを造影剤として入れ、鮮明な画像を撮るものです。
注腸造影 肛門から造影剤を注入して、大腸の検査をします。
血管造影 細い管(カテーテル)を介し、血管内に造影剤を入れる。血管が白く映り、詳しく観察できます。

レントゲン検査の結果からわかること

さて、あなたのレントゲン写真は何を語っているのでしょうか?
※注:検査の数値はあくまでも「めやす」です。不安があれば必ず、詳しく調べるようにしましょう。

検査 正常 異常で疑われる病気
胸部X線 陰影なし がん、肺炎、肺気腫、大動脈異常、肺動脈狭搾、慢性気管支炎、心肥大など
胃部X線 専門医による判断 潰瘍、炎症、がん、ポリープ、十二指腸潰瘍、胃拡張、胃下垂など

胃がんと肺がんは、日本人の疾患別死亡者数の上位にあたる病気です。
具体的に画像として、その影を見るにはX線は手軽な方法です。しかし手軽ですが、精密さには欠けています。
レントゲンの異常陰影を含め、各種検査でがんの疑いが多少ともある場合は、すぐに詳しい検査を受けるべきでしょう。特に、肺は、肋骨、多数の血管とX線を通しにくいもので囲まれています。自覚症状が出て病院に行く頃には転移し、手遅れとなっていることもあるのです。

美しい肺を作ろう

喫煙者は、今回のレントゲンが大丈夫だったからといって来年もそうとは限りません。喫煙は、肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となります。現在、吸っている人も禁煙すれば、がんになるリスクを下げることができます。美しいレントゲン写真に撮られるためにも、ぜひ今からがんばりましょう。
もちろん明らかに陰影が出ている場合は、精密検査を受け、医師の指示を受けましょう。

●チェックしよう!危険な兆候

  • たばこを1日20本以上は吸う
  • 喫煙指数(1日の本数×喫煙年数)が600以上
  • 40歳以上である
  • 緑黄色野菜をあまり食べない
  • 咳、たんが出る
  • 肺炎や肺膜炎にかかっている
  • 胸、背中、肩などが痛む時がある
  • 空気の悪いところにいる
  • 肺の定期健診を受けていない