きれいな乾いたコップの中に息を吐き出し、手でふたをした後、新鮮な空気を吸ってからそのコップのニオイをかいでみましょう。多少の臭いがあってもひどくなければ気にする必要はありあmせんが、悪臭がするときは原因を突き止めて対処をしましょう。何か病気のサインの可能性だってあります。
朝起きたときの口臭は強いものです。これは、眠っているときは唾液の分泌が少なくなり、細菌が繁殖して食べカスの分解や発酵がすすむため。
また空腹時にも唾液の分泌が減少したり、胃の中で胃液のバランスがくずれたりして口臭が発生しやすくなります。
これらは生理的口臭といって誰にでもあるものなので心配無用です。歯磨きして口の中をきれいにすれば、口臭はかなり防げます。
問題なのは、病気が原因の口臭です。
例えば虫歯や歯槽膿漏、歯肉炎、口内炎などが挙げられます。つねに歯や歯肉から血や膿が出ているときは強烈な口臭の元になりますし、虫歯の穴につまった食べカスは腐敗してニオイを出します。
胃腸の具合が悪いときにも口臭は強くなります。消化不良によって食べたものが発酵し、その臭い物質が腸から吸収され、それが血液をめぐって肺から悪臭として排泄されて口臭になるのです。また胃腸などにトラブルがあると、舌の表面に苔のようなもの(舌苔)が付着し、これがニオイのもととなることもあります。
このほか、肝硬変など肝臓の病気、肺がんなど肺の病気、糖尿病、さらには喉や鼻の病気などが原因となって口臭が発生することもあります。
きちんと歯磨きをしている中高年の人で、口臭がキツイといわれる人は、こうした病気が進んでいる可能性もあるので気をつけるようにしましょう。
口臭の2大発生源は「歯垢」と「舌苔」。口の中を清潔にしてこれらを取り除くことが大切です。また唾液には口の中の洗浄作用があり、分泌が減ると口臭が発生することも知っておきましょう。
唾液の分泌が増えて口の中が清潔になるほか、食べ物の消化を助けて胃の中のもどり臭を防止します。
食べカスは食後20分もすると腐敗が始まります。食後すぐの歯磨きを習慣づけて口の中はいつも清潔にしましょう。デンタルフロスや歯間ブラシも効果的です。外出先や忙しいときなどは、口をすすぐだけで口臭を防げる洗口液が便利です。
舌苔は腐った卵のようなニオイを発します。1日1回、タオルやガーゼ、歯ブラシなどを使ってぬぐいとりましょう。使い捨ての舌苔取りシートも市販されています。
クエン酸が食べカスの腐敗発酵にストップをかけてくれます。梅干にお湯を注いで口にふくむようして飲む、レモンのスライスを口にふくむなどしましょう。
カテキンという抗菌作用のある成分が細菌の増殖を抑え、虫歯や歯周病を防ぐ、また消臭効果のあるフラボノイドが口臭をダイレクトに防止します。
体内にとりこまれたニオイのもととなる成分が腸で吸収されて血液に混じり、やがて肺から呼気として出されるため、いくら歯磨きしても口臭は防ぎきれません。これを防ぐには、ニオイのもととなる成分が吸収される前に、消臭効果のある食べ物(牛乳、レモン、梅干、緑茶など)でニオイを消すことが大切です。牛乳のたんぱく質は胃の中でニンニクのニオイのもとアリシンを包み込んでくれます。
口臭が気になるときはしゃべりたくないかもしれませんが、それでは逆効果になってしまいます。しゃべることで唾液の分泌が盛んになり、自浄作用がはたらきます。
緊張が強かったり疲労が続くと、唾液の分泌が悪くなります。ストレスはためずにうまく発散させましょう。
ニコチンやタールが呼気に含まれますし、胃が荒れることで口臭の原因につながります。喫煙習慣と歯周病の相関も統計的に確認されています。
歯垢を取り除いて口の中を清掃する、唾液の分泌を促す、歯肉の血液循環がよくなる、リラックスできるなど、口臭予防のためにはいいことづくめです。葉緑素(クロロフィル)やフラボノイド入りのものがおすすめです。
消化が悪いと口臭の原因になります。飲みすぎ、食べすぎ、ストレスに気をつけ、規則正しい生活を送りましょう。かんで飲むグリーンミント味の消化胃腸薬など、胃腸薬も変わってきています。
バッグにひとつ常備しておくと、人と会う前などにサッと使えて便利です。