うつ病など心の病の治療には、周囲の人の理解や対処が何より大切です。まわりの人がしてあげられること、しないほうがいいことなどを具体的に紹介します。
周囲の病気への理解と対応が大切
心の病気で一番ツラい、何とかしたいと感じているのは本人です。もともと生真面目で、決して「なまけ」たり精神がたるんでるからではありません。体の病気で立ち上がることもできない人を見て「なまけている」と思う人はいないでしょう。心の病も同様であるはずです。体が弱っている人をこき使えば、ますます弱っていくように、心が弱っている人をまわりが叱咤激励し追い詰めれば、ますますヒドくなっていきます。
その人が再びイキイキと活動できるようになるためには、周囲の病気への理解と対応が何より大切です。
周囲の人がしてあげられること
- ●できる限り普通の人と同様につきあい、本人がすべきことはなるべく自分で達成させる
- ●しかし「あなたは心の病気で苦痛が大きいのだ」ということはしっかり伝える
- ●批判したり非難せず、できるだけ何でも受け入れるようにする
- ●なるべく好意を示し、孤独感を取り除いていく
- ●そっと肩をもむなど、親切な言葉・態度を表わす
- ●何か仕事をお願いし、目標や夢をもつ手助けをする
- ●何かしてもらったら尊敬と感謝を示す
- ●マジメな人なら、その努力を賛える
周囲の人がしてはいけないこと
- ●うつ病の状態を非難したり「サボれていいね」などと言う
- ●「気の持ちようなんだから頑張れ!」などと無責任に励ます
- ●相手の考え方・態度・行動などを批評する
- ●相手をやりこめるようなことを言ったりしたりする
- ●自信を失わせるようなことを言ったりしたりする
- ●何か「代わりにやっておいた」などと言う
- ●相手が死を口にしたとき、イライラして突き放す。あなたが必要という態度で強く叱らないと、本当に死ぬこともある
病院へは一緒に
医師は、まず本人からこれまでの人生や生活、現在の状況や人間関係などを詳しく聞き、調査しその中から要因を探りだし、治療の方法を提示します。そのとき、家族や親しい人からの情報も重要になります。本人が嫌がっていない限り、付き添いすることをおすすめします。