疾患・特集

危険!?子どもと親を襲う生活習慣病

1997年の11月、厚生労働省が1~5歳の幼児向けの「肥満とやせの判定表」を作成しました。この背景には、小学生の肥満、高コレステロールが増えていることが挙げられます。生活習慣病は、子供が歩き始めたころから対策することが必要な時代になったのです。

あなたの子供、肥満の心配は?

グラフ:1~5歳の肥満とやせの判定表

これは、厚生労働省が作成した「1~5歳の肥満とやせの判定表」です。子供のいる方は、チェックを。ただし、1~5歳は個人差が大きく成長も早いので、ここで「肥満」と出ただけで心配することはありません。
「うちの子ちょっと太りすぎかな」と思ったら、毎月1回身長と体重をはかってグラフに記入します。
半年ぐらい様子を見て、体重が身長の伸びより急激に増えているようなら、肥満の可能性が高いので、具体的な対処法を考えたほうがいいでしょう。
ただし、肥満に結びつくような生活は、早急に改善が必要です。

糖尿病、動脈硬化などが心配される子供たち

子供の症例が報告されている生活習慣病として、糖尿病と動脈硬化があります。簡単にいうと、糖分の摂りすぎと脂肪分の摂りすぎで起こる病気です。
血液中のコレステロール値という言葉は、健康診断などでおなじみですが、小学生で高コレステロールだった子供は11%ぐらいいるという報告もされています。
だからといって、いますぐ病気になったり死んだりするわけではありませんが、20代、30代で発病してしまう可能性が高いようです。
一生懸命に育てた子供が、これからというときに、大病を患ったり、最悪亡くなってしまう危険性があるのです。

お母さんが栄養バランスを考えた食事を作っても、お菓子を袋ごと与えたり(スナック菓子の脂肪分、塩分は摂りすぎると危険ですが、子供にはその調節ができません)、子供の要求に負けてジュースなどを与えているようなら(ジュース2杯ぐらいで、1日に必要な砂糖の量を軽く超えてしまうことがあります)、生活習慣病は防げません。

生活習慣病の恐怖が現実になる親世代

平成9年の統計では、生活習慣病が原因で死亡された方が、全体の63.8%もいるとされています。
ベスト3は、がん(30.1%)心臓病(15.3%)脳卒中(15.2%)。
そして、これらの病気に侵される危険性がもっとも高いのが50歳代~60歳代です。
つまり、我々の親世代では、それぞれかかる危険性が高い病気に合った、より具体的な予防対策が必要になります。また、自分のからだの異常を早期に発見して、医師に相談することも必要です。生活習慣病にかかってしまうと、本人のみならず周りの人の苦労も並みではありません。

ご両親が健康なときから、まめに顔を見せたり電話や手紙で連絡をとるなどして、生活の様子を気にかけていくことが、お互いのためになります。