疾患・特集

適量を知って上手にお付きあい「酒」「コーヒー」「甘いもの」

コーヒー・お酒・甘いものは、たばこなど健康のためを思えばスッパリやめたほうがいいものと違い、適量を守れば体によい効果を与えてくれるものです。では、その適量はどのくらいなのでしょうか?

コーヒーとの付きあい方 Q&A

Q:コーヒーは1日何杯ぐらいまでなら飲んでいいの?

答え:特に制限の必要はないようです。
コーヒーに含まれるカフェインには発がん性があるので、コーヒーはあまり飲まない方がいいなどと言われてきましたが、その説は間違いだったようです。最近では逆に、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」という物質が、有害な活性酸素を抑制したり、発がん性物質の生成を阻止したりすることがわかってきました。
したがって、1日に飲むコーヒーの量自体は、特に制限の必要はないようです。

Q:コーヒーが胃に悪いというのは本当ですか?

答え:半分本当、半分間違いです。
カフェインには、「胃酸の分泌をうながす」というはたらきもあります。このため、食前や空腹時に飲むと空っぽの胃に胃酸が分泌され、胃壁を直接刺激することになります。
ミルクを少し入れてもその効果は変わりません。したがって、食前や空腹時には、コーヒーは避けた方がいいでしょう。
一方、食後のコーヒーはおすすめです。胃酸が多く分泌されて消化がよくなるからです。

Q:コーヒーを飲むと痩せると聞きましたが本当?

答え:飲めば痩せるというわけではありません。
コーヒーに含まれるカフェインには、目の疲労を防ぎ作業効率をあげるはたらきのほか、脂肪を分解させてエネルギーに変えるはたらきがあります。しかし、ただ飲んでいるだけでは効き目がありません。やはりそれなりの運動が必要です。
なお、運動前にコーヒーを一杯飲んで、効率的に脂肪を燃やそうという人は、砂糖抜きの方がよいでしょう。砂糖の糖分がカフェインのはたらきを抑えてしまうからです。

アルコールとの付きあい方 Q&A

Q:夕食時の晩酌が楽しみですが、これも依存症なのでしょうか。

答え:1日平均1合以下(日本酒の場合)なら、ほぼ大丈夫です。
厚生労働省がおすすめしているお酒の飲み方は、「日本酒の場合、1日1合まで。1週間に最低2日はお酒を飲まない日(休肝日)を作る」というもの。
ただし、アルコールへの強さは人によって違います。自分の限界を知って、無理のない程度の飲酒量に調節しましょう。

Q:私は、お酒に強い体質で、毎晩3合以上飲んでも特に障害はないのですが?

答え:「お酒に強い」という思い込みは危険です。
30代ぐらいまでは、アルコールの吸収や代謝が活発なので、夜に4~5合ぐらい飲んで も翌朝ぐらいには回復できる人もいるようです。
しかし、年齢とともに体力が衰えてくると、回復に時間がかかるようになります。体自体が前より飲めなくなっているわけです。
そうなってから酒量を減らすのは簡単ではありません。4~5合飲んだときの酔った感じ(気持ちよさ)を体が覚えてしまい、少量では満足できなくなっているからです。
だから、若くてたくさん飲める自信があっても、日ごろの飲酒は1合以内にセーブした方がよいでしょう。

Q:お酒がないと眠れないのだが、アルコール依存症でしょうか?

答え:危険な兆候のひとつ。お酒の量のセーブが必要です。
お酒というのは、たまに1回飲む場合は睡眠導入剤になるかもしれません。しかし、連続して飲んだ場合、お酒には睡眠の一部を抑制してしまうという弊害があります。このため、深酒が続くと疲れるのです。
また、寝る前にナイトキャップとして軽く飲む習慣にしている人でも、「熟睡した感じがしない」という人が多いようですが、これも、お酒のせいです。少量でも、寝酒は控えた方がいいようです。

甘いものとの付きあい方 Q&A

Q:甘いものは1日にどのくらいまで食べてよいのでしょうか。

答え:成人の1日あたりの砂糖(糖分)摂取量は、だいたい20gまでです。
上の数字は料理に使われている砂糖の量も含めたものとなります。ですから、半分が料理に使われていると考えると、残りは10g。ミルクチョコレート18g、ドーナツ約3分の1、アンパン半分弱に含まれる糖質とほぼ同じです。
1日に食べられる甘いものの量は意外に少ないようです。

Q:甘いものを多くとる分、ごはんなどを減らしてはいけませんか。

答え:甘いものはあくまでも、楽しみ。主食をおびやかさない程度に抑えましょう。
ごはんなどに含まれるのは、炭水化物だけではありません。体を維持するのに必要なミネラルなども含まれています。
それを考えると、ごはんを控えて甘いものを多とるのは体にとって、決してよいことではありません。
せいぜい、朝食にジャムやハチミツつきのパンを食べるぐらいにしておきましょう。