疾患・特集

「あなたなしでは生きていけない!」体と水の深い関係

どんなにノドが渇いても、水道の水だけは飲みたくないという人が増えている。
マズイ、塩素のにおいがするなど、体に悪そうなイメージがつきまとう。
しかし、私たちは水なしで生命を維持することはできない。
私たちの体と水の深い関係を探る!

ヒトの体の60%は水でできている

人体のなんと60%は水である。
普通の体格の成人男子なら体重の3分の2が水(肥満の人も50%は水だという)。
ヒトはなんとも水っぽい体質なのだ。
ちなみに水分が40%~50%にまで落ちると、生命維持が不可能になる。
すなわち、私たちは毎日生きるために、せっせと水を補わなければならない運命にあるのだ。
その量は平均して1日2.5リットルといわれ、この半分を食事から、残りを水などの飲料で補っている。
水は体内で血液に変身し、全身を駆けめぐっていて、脳だけでも1分間に0.7リットルもの水(血液)が流れている。

腎臓では毎日200リットルの水が通過!

このほか、水はリンパ液、胃液や腸液などさまざまに形を変えている。
その量は40リットルにもなり、1日5~6回、腎臓で老廃物を取り除き、また体内に戻っていく。
単純に計算しても、腎臓では1日に約200リットルの水が通過していくことになる。
こうして腎臓で取り除かれた老廃物は、尿として体外に排出される。
その量1日約1.2リットル。
老廃物と不要な塩分を排泄するために、ここでも水が触媒として使われる。

それ以外にも、呼吸と皮膚表面からの水分の蒸発がそれぞれ約0.5リットル。
大便に含まれる水分が約0.1リットルあり、合計すると1日約2.5リットルは、安静にしていても失われることになる。
この数字は最初に挙げた1日に補うべき水の量と同じである。
失われたものをちゃんと取り戻す必要があるということだ。