疾患・特集

遺伝子は病気と大いに関係している

遺伝情報は体の設計図

遺伝子は46本の染色体の中にすべて収められており、さまざまなたんぱく質を作って組織を再生したり、生命活動を支えます。ホルモンなどの情報伝達物質、酵素、抗体、その他細胞の活動を行うたんぱく物質は、すべて遺伝子によるものです。
親から子に伝えられた遺伝情報は、いわば体の設計図です。ところが、そこにエラーがあると病気を引き起こします。これが遺伝病です。
遺伝病は、メンデルの法則により出現する「メンデル式遺伝病」、複雑な遺伝をする「多因子性遺伝病」、染色体そのものの異常で現れる「染色体異常」に分類されます。

生活習慣病は、かかりやすい体質が遺伝する

こうした遺伝病とは違って、ある特定の病気になりやすい体質が遺伝するケースがあります。例えば、生活習慣病です。
従来成人病と呼ばれ、食生活やライフスタイルが誘因になりますが、遺伝も関係しています。がん、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病、高血圧などは、病気そのものが遺伝するのではありません。病気になりやすい素地が遺伝することがあるわけです。
また、がんについては現在、20種類程度の「がん遺伝子」が存在することが明らかになっています。その遺伝子のタンパク質の配列ミスが、細胞をがん化させるとされています。