疾患・特集

日本人と薬の生産量

日本の医薬品生産量は5兆7503億円

厚生省の「薬事工業生産動態統計調査」によると、平成6年の日本の医薬品生産額は5兆7503億円でした。
用途別の内訳を見ると、医療用医薬品が4兆8812億円(84.9%)、一般用医薬品が8087億円(14.1%)、配置用家庭薬が605億円(1.1%)となっています。
医薬品の生産金額は、平成2年以降はほぼ横ばいで推移しています。これは2年ごとに実施される薬価改定により、薬価が徐々に引き下げられてきたためです。

生産トップは循環器官用薬

次に、薬効分類別の生産金額の内訳を見てみましょう。薬効分類のシェアは、かなり変化してきています。薬価基準の薬効分類ごとの改定率や、効能の拡大、大型新薬の開発、健康保険の適用範囲の見直しなどが行われたためです。
トップは循環器官用薬で16.4%、次いで中枢神経系用薬、そのほかの代謝性医薬品、消化器官用薬、抗生物質製剤、外皮用剤、生物学的製剤、血液・体液用薬、ビタミン剤、滋養強壮薬と続きます。
循環器官用薬、中枢神経系用薬、代謝性医薬品、消化器官用薬、血液・体液用薬などの使用量は年々増えています。
特に循環器官用薬は、平成元年に抗生物質製剤に代わりシェア第位となって以来、その伸びは顕著です。生活習慣病、高血圧、心臓病、代謝異常などの慢性疾患の増加など疾病構造の変化を反映したものとなっています。